安静時12誘導心電図検査(エコノミー症候群・たこつぼ心筋症・急性心筋梗塞)

検査科

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循環器系の検査で最も簡便で、それでいて多くの情報を得ることの出来る検査に心電図検査があります。
胸痛や動悸に加え、なんだか胸のあたりがモヤモヤする、チクッとする等々症状は人それぞれです。
訴えも十人十色で様々であり、記録をしながら患者様の訴えと検査結果を照合しながら記録をしています。
同じような症状を訴えられたとしても、すぐに治療が必要な場合があることもあれば、経過観察で終わる場合もあります。

まず、アースの右足(黒色)から四肢誘導を装着、その後に胸の決まった位置に6カ所の胸部誘導の装着を行います。
我々検査技師は、四肢誘導を取り付けた時点で、脈の早さ、乱れ、特定の部位の心筋虚血の有無を瞬時に判断します。
さらに胸部誘導を取り付け心臓の前後左右の観察を行います。
それと同時に患者様の具体的な症状を伺いながら検査を進めています。
定期的に心電図検査を受けられていると、波形の変化により異常を発見できる事もあります。
そして心電図検査にて何らかの異常が見られる場合で、時には迅速な対応が必要となる事があります。

東北大震災でも熊本を中心とした地震でも多くの被災者が患い、問題となったエコノミー症候群の病態の一つでもある急性肺血栓塞症も緊急で治療が必要となるものです。
エコノミー症候群つまり急性肺血栓塞症は突然の呼吸困難に加え約半数の人が胸の痛みを訴え、独特の心電図波形を示します。
具体的にはⅠ誘導に深いS波、Ⅲ誘導、V1―V4の誘導で陰性T波を認め、しばしばⅢ誘導でQ波を認めます。
肺塞栓の原因である深部静脈血栓症の診断も検査室で下肢静脈エコー検査をする事で特定可能です。
災害時などのストレスによる病態に”たこつぼ心筋症”とよばれる一過性の心筋症もあり、発症時に特有の心電図を示します。
通常は見られなかった陰性T波がV2−V6に見られ、心エコーにて診断可能となります。

そして激しい胸痛の代表である急性心筋梗塞!
30分以上も続く胸痛、肩の痛み、シャツが汗でびっしょりなるなどの症状を訴えられ、梗塞の部位に特有の心電図波形を観察できます。 
心臓を取り巻く冠動脈のどこかに閉塞がおこれば、その部位を反映する誘導で特有の波形を観察するため心電図を記録しながらどの部位に障害を受けているかが判定できます。
急性期には梗塞の部位にSTの上昇を認め経時的に波形が変化していきます。
背中が痛い場合には、大動脈解離の危険性もあります。
胸部の重い痛み、労作に伴う痛みなどでは、労作性狭心症の可能性があります。
心臓を取り巻く冠動脈が細くなっていることで、運動などで心臓から拍出される血液量が増えたとき、その血液をすんなり通すだけの血管の太さが十分でないためにその部位が一過性に虚血状態となり心電図にも異常が現れます。
夜間とくに明け方に起こるギューッと痛みでは、冠動脈の痙攣が原因で虚血が起こる場合が多く、安静時の心電図に変化があらわれない事もあります。
ホルター心電図で夜間(明け方)に症状に一致した波形の変化を見る事も可能です。
 
次に、高血圧の患者様、高い血圧で拍出を続けていると心臓の筋肉が肥厚して肥大心と呼ばれる状態になっていきます。
分厚い心筋を反映して心電図の波形も変化していくことが多く、胸部誘導の波形が標準に比べ高くなってきます。
そのような時に検査中、検査技師が心電図の検査中に血圧高いですか?などと質問をすることもあります。
このような高血圧による変化にも心臓超音波検査(心エコー)が有用です。

心電図の異常が認められた場合に心臓超音波検査、下肢静脈エコー検査、ホルター心電図検査などの更なる検査をすることで、より詳細に病態を把握することが出来ます。

最初のステップである心電図検査が担う役割は非常に大きいんですよ!!!

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