健康診断について

検査科


健康診断といっても様々な種類があります。
メタボでおなじみのメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)に着目した特定健診、お勤めされている方は毎年受けていらっしゃる定期健康診断、特殊なものでいうと、じん肺健診や有機溶剤健診などなど、働いていらっしゃる環境、職種に応じたものが法令で定められています。
でも健康診断って、なかなか面倒だし、ちょっと受けるのが億劫なものですよね。
それに結果が返ってきてもどうすればいいかわからないという方も多いと思います。
そこで今回は健康診断で何がわかるのか、精査の場合どうして受診するべきかをいくつか抜粋して簡単にご説明したいと思います。

労働安全衛生法に基づく定期健康診断の項目は以下の通りです。(年齢や医師の判断で省略可なものもあります。)
身体測定(身長・体重・腹囲)視力、聴力、血圧、胸部X線検査、心電図、血液検査(貧血・肝機能・脂質・血糖)、尿検査(蛋白・糖)、喀痰検査

まず身体測定より腹囲から。
男性で85cm以上、女性で90cm以上の方、要注意です!
血圧、血中脂質、血糖の項目に異常はありませんか?
これはメタボリックシンドロームの判定に用いる項目です。
メタボリックシンドロームの疾患概念は、「内臓脂肪型肥満を共通の要因として、高血圧、脂質異常、高血圧を呈する病態であり、それぞれが重複した場合は、虚血性心疾患、脳血管疾患等の発症リスクが高く、内臓脂肪を減少させることでそれらの発症リスクの低減が図られる」というものです。
つまり、内臓脂肪を減らし、血圧や血中脂質、血糖値をコントロールすることで、心筋梗塞などの虚血性心疾患や、脳梗塞などの脳血管障害の発症リスクを減らすことができる、という考え方です。
重篤な疾患に至る前に、早めに受診し、適切な治療や指導を受けることをお勧めします。

つぎは血液検査から肝機能について。
AST、ALT、γ-GTの値はどうでしょう。
肝機能障害の原因はウイルス性や代謝性のものがあげられ、血液検査や生活習慣などから原因を特定します。
よく耳にする脂肪肝は代謝性肝疾患のひとつです。
脂肪肝とは肝臓に過剰な脂肪が蓄積した状態であり、画像診断や組織診断で診断されます。
アルコールを毎日飲む方、アルコールは飲まないけど、炭水化物や脂肪の多い食事がお好きな方、脂肪肝かもしれません。
腹部超音波検査は非侵襲的な検査で、簡単に検査が可能です。
また、肝臓だけでなく、胆嚢、膵臓、脾臓、腎臓、膀胱、前立腺など多くの情報を得ることが出来ます。
一度検査されてはいかがでしょうか。

さらに血糖値に注目してみましょう。
血糖値が高値に出てしまった方、お食事はされていましたか?
血糖値や中性脂肪(TG)は食事の影響を受けやすい項目です。
食事をされている場合はどうしても高く出てしまいます。
食事をしていた場合は、HbA1cを見てみましょう。
HbA1cは過去1~2ヶ月の血糖値を反映しますので食事の影響は受けません。
逆を言えば、健診前に数日間だけ摂生してもHbA1cは下がらないということになります。
食事をしていないのに血糖値が高い、HbA1cが高いという場合は糖尿病の可能性があります。
糖尿病って尿に糖がでてくるのじゃないの?とお思いかもしれませんが、尿に糖が出ていないからといって糖尿病を否定できるものではありません。
診断にはさらに詳しい検査が必要ですが、早期に治療を開始することが3大合併症である「網膜症・腎症・神経障害」のリスク軽減につながります。
また、早期に受診すれば薬物療法でなく、運動療法で改善が見込める場合もあります。

最後に心電図について。
心電図では、心臓のリズムの不整、つまり不整脈の有無だけでなく、心臓の大きさや、虚血性心疾患の可能性、さらに心臓以外の疾患も疑うことができます。
例えば頻脈。
もちろん、心臓の刺激伝導系の異常も原因のひとつですが、貧血や甲状腺機能亢進症なども鑑別にあげることができます。
また、心臓が大きくなる原因としては、弁膜症や高血圧、心筋症などが考えられます。
心臓超音波検査は食事制限の必要がありませんので、お気軽にご相談下さい。

定期健康診断、少ない項目でも、いろいろなことが分かります。
もちろん、病気の診断にはさらに詳しい検査をしないといけませんし、悪性腫瘍など、分からない病気もありますが、年に1度は受診することをお勧めします。
また、健康診断で精査・治療の診断がついた場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

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