保険証なめたらアカン!

医事課


保険証がカード化され、ひとりひとりが個人のカードを持つ時代になり久しくなります。
以前は一家に一枚、紙の保険証で、診察に行くときには親から預かり行っていました。
時には「今日、おばあちゃんが持って行ってるよ!」と言われ慌てておばあちゃんが行っている診療所に寄ってから、保険証をもらって自分の通院先へ行くこともありました。
紙時代の“あるある”です。
そして、保険証には家族の誰がいつ、どこの病院へ行ったのか、記入・押印されていたので、一目瞭然で分かったものです。
友人に自分の保険証を貸して…などという悪事は、簡単に働けるものではありませんでした。
“保険証は大切なもの”という感覚はその頃の方が強かったかもしれませんね。

当院でも毎月、保険証をご提示頂いております。
患者様は提示の、病院は確認の義務がそれぞれにあるからです。
保険証を提示すれば、各々の負担割合で診察を受けて頂くことができるわけですが、お住まいや職場の変更などで内容にもお変わりがある場合は、その旨を申告して頂く必要があります。

以前、ある患者様が(Eさんとします)いつも通り診察を受けて帰られたのですが、薬局より連絡があり「今月から保険証が変わると言われています。」とのことでした。
処方箋には保検証の記号や番号などの情報が記載されています。
窓口でEさんにそう言われたが、病院が発行したものは以前の情報のままだったので、確認のため連絡をくれたのでした。
Eさんは病院では申告されていませんでした。
変更がある場合は、一旦、自費(10割)でお支払い頂き、新しいものが手元に届いたら、
領収書と一緒に持参され差額を返金する…というのが大体の流れです。
もちろん全額だと、かなりの高額になりますので、場合によっては、その一部を「預かり金」として入金して頂くなどのご相談にも応じています。
Eさんとも、そういったことをお話させて頂くため、もう一度病院に戻ってもらいました(ちなみに薬局は病院のお隣にあります)。
戻って来られたEさんは「親切のつもりで言ったのに(こんなことになるなら)言うんじゃなかった」と、おっしゃいました。
レセプトの返戻は必須ですし、負担割合などが変わっていた場合は返金や追加といったやりとりが必要になることもあります。(“レセプト”って何だろう?と思われた方は、医事課の過去の記事「レセプト奮闘記」をどうぞご参照ください!)
そういった説明をさせて頂くと、「それは、そっちが面倒くさいからだけでしょ」と…

例えば通勤・通学定期。
JRのものを持っていて、引っ越しをしたので阪急沿線になりました。
手続きを忘れていたのでと、JRの定期で阪急電車に乗りますか?
そもそも乗ろうと思うでしょうか?
定期を忘れた時に、窓口で「定期を持っているけど忘れたので通してください。定期は明日持って来ます。」と言いますか?
期限が切れている定期で乗ろうと思いますか?
そんな定期を自動改札機に通そうものなら、扉はバタン!と閉まり、ランプが赤く光り、ピコンピコンと音が鳴る。
飛んで来た駅員さんに「(こんなことになるなら)通すんじゃなかった」と言うでしょうか…。

保険証も同じなのです。
期限が切れていたら使えません。
変更時にはきちんと申告する義務があります。
万が一古いものと分かって提示した場合、病院には非がなく、ご自身で前の保険組合や市町村に出向き返金をし、新しいところへ新たに手続きして頂くこともあります。
どちらの方が面倒でしょうか?

残念ながら、これはEさんだけの特別なお話ではありません。
同じような例はたくさんあります。
逆に「今月は初めて(の受診)やからな」と言って、こちらがお声かけする前に出して下さる患者様もたくさんいらっしゃいます。
変更の際には申告して下さる患者様も、もちろんいらっしゃいます。
一枚の保険証を大事に皆で使っていた時代を思い出し、今一度、保険証について考えてみて頂けるとありがたいなぁと思います。

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