肩の痛みに対するリハビリテーション

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肩のお話

「肩関節」は構成が複雑で、1つの関節を指すのではなく、種々の関節と関節周囲組織の複合体を指します。
そのため「肩関節複合体」と呼ばれることがあります。
一般的には肩甲骨・上腕骨・鎖骨・胸骨からなる構成物を指し、臨床的にはさらに肋骨・椎骨を加えます。
「肩を上げる」ためには、肩甲骨の動きも重要となり、バンザイまでの角度を180度とした際、その3分の1である約60度は肩甲骨の動きが必要となるといわれます。(=肩甲上腕リズム)
肩甲骨の動きとともに重要なのが腕の骨(上腕骨)と肩甲骨を連結するインナーマッスルです。
これらのインナーマッスルは「ローテーターカフ」とも呼ばれ、棘上筋・棘下筋・肩甲下筋・小円筋の4つの小さな筋肉を指します。
これら「ローテーターカフ」は肩関節を構成するうえで安定性をもたらし、また「腕を上げる」初動においてとても大切となります。
これらを考慮し、肩甲帯の動きを向上させる運動、インナーマッスルに着目した運動、また普段の姿勢改善など、様々な角度からプログラムを遂行することが重要となります。
そのため実際にリハビリテーションを受けて頂き、肩の症状や動きを評価した上での運動処方が「治療への近道」といえるのです。

みなさんは肩関節周囲炎、俗に言う「五十肩」に悩まされた経験はありますか?
肩関節周囲炎は、中高年に好発し「動かしても動かさなくても肩が痛い」「肩が上がらない」といった症状を引き起こします。
肩関節周囲炎の疾患概念は明確ではなく、“肩関節周囲組織の退行性変化に伴う血行障害や運動による機械刺激によって発症する”とされています。
また軽い外傷の繰り返しによる肩の不快感や疼痛で発症するともいわれています。
主たる病変部位は上腕二頭筋長頭筋腱やローテーターカフ(主として棘上筋腱)の炎症や癒着、肩峰下滑液包・烏口突起部などの炎症や癒着も含むとされています。
症状の経過を大きく分けると、「疼痛痙縮期」とそれ以降の「拘縮期~回復期」に分けられます。
一般的には肩関節周囲炎、つまり「五十肩」は完治まで個人差がありますが、約1年で徐々に痛みが自然緩和するといわれます。
しかし運動を怠ると癒着による肩の運動制限を生じる原因となる恐れもあるため、正しい方法での運動が必要となります。

疼痛痙縮期

疼痛痙縮期は肩が痛くなってからの初期の間であり、これもかなり個人差がありますが、発症から6週~9か月の間ともいわれます。
この時期の患部は炎症も強く、安静時にも「つらい痛み」を伴います。
夜間時の痛みを伴うことも多く、この時期では可能な限り安静を保ちます。
消炎鎮痛の内服薬などのほか、寝る姿勢の工夫「痛い肩を下にして寝ない」「仰向けでは痛い側の肩から肘にかけてタオルやクッションを敷く」などの対処も有効となります。
運動につきましても、ごく軽度な負荷に留める必要があり、荷物や肩を上げる動作など肩に負担をかけないよう注意を要します。

拘縮期~回復期

安静期が過ぎ、痛みがある程度おさまると拘縮期~回復期に入ります。
この時期からは患部の炎症も治まってきますので、ここから徐々に運動を開始していきます。
一般的には「五十肩体操」と言われる肩関節周囲炎の運動方法があります。
この中で手軽に行える体操として「コッドマン体操(振子体操)」があげられます。

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