リウマチ・膠原病

みどり病院では、関節リウマチや全身性エリテマトーデスなどに代表される膠原病の診断・治療を専門に行うリウマチ・膠原病専門外来を開設しております。

膠原病は、全身の複数の臓器に炎症が起こり、臓器にダメージが蓄積し、やがて機能障害をきたしてしまう病気です。体内の免疫システムが自分自身の臓器を誤って異物と認識し、攻撃してしまうことが原因です。

みどり病院では、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、皮膚筋炎、多発性筋炎、ANCA血管炎などを対象に、経験豊富な専門医がそれぞれに合わせた最適の治療を行います。
これまでに関節リウマチなどの膠原病を指摘されたことのある方、当院リウマチ・膠原病専門外来にお気軽にご相談ください。

リウマチ・膠原病専門外来のご案内

みどり病院では、下記曜日にてリウマチ・膠原病専門外来を行っております。詳しくは外来のご案内(→ページへ)をご覧いただくか、みどり病院代表(電話番号:078-928-1700)までお問い合わせください。

月曜日、水曜日:午前9時~12時
土曜日(隔週):午前9時~12時
担当医師:稲波(宏)

はじめに -ステロイド使用を抑えた治療-

膠原病には、古くからステロイドが治療の第一選択薬として用いられてきました。ステロイド治療は短期間の使用に関しては優れていますが、中、長期にわたって使用すると思いがけない合併症に遭遇することになります。真菌症の発生、骨粗しょう症の重症化、皮膚の劣化、三次性副腎機能低下症、糖尿病、白内障など生命予後に直接大きくかかわってくる病気を新たに抱え込むことになります。全身性エリテマトーデス(SLE)の先進国での平均的な寿命はステロイド治療開始から25年前後といわれます。ステロイドによる副作用で寿命を縮めることになっているのが膠原病治療の現状です。

免疫反応の中心的な役割を果たしているインターロイキン6の活性を抑えるアクテムラ®の登場は関節リウマチ治療に革命的な変革をもたらしました。ステロイドを極力減らしあるいは使用せずとも、関節リウマチがコントロールできるようになった事が、関節リウマチ治療の進歩であるといえます。わが国では認可されていませんがリツキサン®によるBリンパ球除去療法もヨーロッパ、豪州、米国等でも行われ、関節リウマチに投与され高い評価を得ています。当院では関節リウマチだけでなく全身性エリテマトーデス、皮膚筋炎、多発性筋炎、ANCA血管炎などの他の膠原病治療にも積極的に取り組んでいます。

今後も可能な限りステロイドの使用を極力抑える治療を目指していきます。(稲波宏)

膠原病とは

膠原病とは全身の複数の臓器に炎症が起こり、臓器の機能障害をもたらす一連の疾患群の総称です。

関節リウマチや全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus;SLE)などが代表的な疾患で、何らかの理由により本来であれば体内の異物を認識し排除する役割を持つ免疫系が、自分自身の正常な組織や細胞を攻撃してしまうことで、様々な症状を引き起こす“自己免疫疾患“です。

関節リウマチとSLEの特徴を簡単にまとめると以下のようになります。

男女差発症年齢 主な症状 検査
関節リウマチ女性に2~3倍多い30歳~50歳の間に多い関節痛
早朝の手足のこわばり
抗環状シトルリン(抗CCP)抗体
リウマトイド因子(RF)
MRI
SLE70~90%は女性主に若い女性発熱、倦怠感、易疲労感
頬部の蝶形紅斑
関節炎
各種抗体検査

どちらの疾患も女性に多く、専門医による早期診断・早期治療が重要です。治療の目標は疾患活動性を低くすること、つまり症状を抑えて関節リウマチやSLEであっても、ごく普通の生活を長く行えることとなります。膠原病2大疾患である関節リウマチとSLEの病態や治療についてご紹介します。

関節リウマチ

関節リウマチとは

関節リウマチとは、手指や足指など小さな関節から腫れや痛みが生じ、次第に大きな関節までもが破壊される原因不明の炎症性関節炎です。炎症は通常、体の両側から対照的におこり発症初期は早朝の手足のこわばり、倦怠感、脱力感などです。

症状の進行は様々ですが、進行すれば免疫系を構成する成分が、関節内側の軟部組織を攻撃し、血管や肺、その他の体の多くの部位の結合組織をも攻撃します。治療の目標は病気の進行を遅らせることです。抗リウマチ薬などを発症初期から投与します。痛みや炎症に対しては抗炎症薬や副腎皮質ステロイド薬などを投与します。

関節リウマチ治療薬(内服)

副腎皮質ステロイドは関節の炎症を抑えるのに用いられますが、長期間の使用で骨粗しょう症や消化性潰瘍、感染症などの副作用が起こりやすくなります。できるだけステロイドを使用せずに症状をコントロールするためにも、抗リウマチ薬を用います。

分類抗リウマチ薬抗リウマチ薬副腎皮質ステロイド薬
成分名メトトレキサートレフルノミドメチルプレドニゾロン
商品名リウマトレックス®アラバ®メドロール®
用法・用量1週間に1回:1回6~16mg1日1回:1回10~20mg1日1回:1回2mg~
主な副作用口内炎
カリニ肺炎
骨髄抑制
肝機能障害
皮疹
末梢神経障害
骨髄抑制
骨粗しょう症
易感染性
副腎不全

関節リウマチ治療薬(注射)

これらは “生物学的製剤”と呼ばれる治療薬です。生物学的製剤とは、関節リウマチにおける腫れや痛み、関節痛、骨や軟骨の破壊などの中心的な役割を担っていると考えられている物質のみを抑える薬です。

内服薬に比べ高い効果が期待できますが、その分高価で治療効果・安全性・費用などに関して主治医と十分に相談する必要があります。

分類ヒト化抗ヒトIL-6レセプターモノクローナル抗体T細胞選択的共刺激調節剤
成分名トシリズマブアバタセプト
商品名アクテムラ®オレンシア®
用法・用量1回8mg/kgを4週間隔で点滴静注1回500~1000mgを4週に1回
主な副作用易感染性易感染性

全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus;SLE)

全身性エリテマトーデス(SLE)とは

全身性エリトマトーデス(SLE)とは関節や臓器の炎症と伴う自己免疫疾患です。

時に薬物の長期使用が発症の原因となることもあります。一般的な徴候は関節痛や関節炎、頬部などの皮膚発疹ですが、“全身性”との名前の通り、脳から皮膚、腎臓や胸膜、中枢神経まで様々な臓器・組織に炎症が発生する事で、臨床的に極めて多様な症状を示します。

SLEは通常、慢性の経過をたどり寛解(症状が落ち着いた状態であること)と再燃(症状が悪くなること)を繰り返します。

治療は重症度によって異なりますが、重度の場合副腎皮質ステロイドや免疫抑制薬を用います。長期間の副腎皮質ステロイド薬の使用は胃潰瘍や骨粗鬆症、クッシング様症状などのリスクが高まります。

近年、毒性の比較的少ないセルセプトの使用が認められました。

SLE治療薬

分類アルキル化剤免疫抑制剤
成分名シクロフォスファミドミコフェノール酸 モフェチル
商品名エンドキサン®セルセプト®
用法・用量1回500mg~1000mg/㎡を4週間ごと1回500mg~1500mgを1日2回12時間毎
主な副作用出血性膀胱炎
骨髄抑制
易感染性

おわりに

リウマトレックス®(メトトレキサート)、アラバ®(レフルノミド)などの抗リウマチ薬や、アクテムラ®(トシリズマブ)をはじめとする生物学的製剤の登場により関節リウマチの治療は飛躍的に進歩しました。

SLE治療では、薬の副作用を最大限回避する努力が必要といえます。治療でお困りの方は、是非一度ご相談下さい。

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