尿管結石にご注意を!

尿管結石、この病名にどんなイメージや疑問をお持ちでしょうか?
七転八倒するような痛み?
痛み以外にどんな症状があるの?
尿管結石が疑われた時はどんな検査をするの?・・・などなど

なぜ尿管結石はそんなに痛いのでしょうか?

ほとんどの結石は最初腎臓内でつくられます。
腎臓内に存在しているだけでは痛みはあまり感じません。
結石が動くと血尿がでることはありますが、それ以外では気づかないケースがほとんどです。
結石が原因で激しい痛みが引き起こされるのは、結石が腎臓内から尿管へ移動した時です。
尿管は結石より細い場合が多いので、結石が尿管に詰まってしまいます。
結石が尿管にはまり込んでしまうと、尿が正常に流れなくなります。
これにより腎臓に圧力が加わる、また尿管がけいれんするなどにより痛みが引き起こされると考えられています。
痛みは結石のある下腹部だけでなく、腎臓に障害が起こるとわき腹や腰に激痛が走ることもあります。
結石の成分にはいくつか種類がありますが、圧倒的に多いシュウ酸カルシウム結石は金平糖状あるいは表面がギサギサな形で、小さくても尿菅に引っかかりやすく排出されにくいのが特徴です。
このギザギザが尿管を傷つけることにより血尿が出ます。
尿管結石が膀胱や尿道に落ちると頻尿や排尿困難、排尿痛、残尿感膿尿、下腹部の不快感などの症状がでることもあります。

尿管結石が疑われたときの検査は?

病院で行われる検査には
①尿検査・・・血尿の有無や尿路感染の有無、結晶の有無などを調べます
②血液検査・・・炎症の有無や腎機能などを調べます
③画像検査・・・腹部単純X線撮影、CT検査、静脈性腎盂造影法、超音波検査などがあり患者さんの状態によって選択されます

私たち臨床検査技師が行っている超音波検査では腎臓・尿管・膀胱などを観察し、腫れ具合や結石の有無・状態などを調べます。

尿管結石には様々な原因が考えられていますが、そのうちの一つには脱水があげられます。
摂取する水分が少なくなると血液が濃くなります。
血液が腎臓を通過する際に、必要な物質が再吸収され老廃物と余分な水分が排出されたものが尿ですので、血液が濃くなるとそれをろ過して作られる尿も濃くなってしまいます。
尿の成分が濃いということは、結石の原因となるシュウ酸やカルシウムも多く含まれていますので、結合してしまう可能性が高くなってしまいます。
夏場は意識的に水分摂取を心がけていても、それ以外の季節ではあまり気にしていない方も多いのではないのでしょうか?
ですが私たちの体は夏場以外でも案外多くの水分を失っています。
明らかな脱水症の症状が出ていなくても、知らず知らずのうちに体は脱水状態になっていることも・・・。

結石はすぐに生死にかかわる病気ではありませんが、ある日突然激しい痛みに襲われて発症に気づくケースの多い病気です。小さな結石なら尿と一緒に排泄されることも多いので、季節を問わず水分摂取を心がけて「痛みの王様」とも呼ばれる結石を予防しましょう。