待合いサロン『みどり』

医事課

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待合いには実に様々な人が集まってきます。
診察や検査を受けに来られた人も然り、診察ではないけれどフラッと「遊びに来たよ」といった感じで話に花を咲かせている方もいます。
まるで散歩コースの途中にある公園のような雰囲気です。
受付が開くのは8:30ですが、8:00前から待たれている方もいらっしゃいます。
夜間診の人が少ない時には入院患者さんが降りてきて、テレビを観たりお話をされたりすることもあります。
日曜日、暗い待合いにも新聞を読みに来られる入院患者さんもいます。

私からすると、病院に行くのは憂鬱ですし、不安や緊張を伴うもの…という感覚です。
しかし、見方を変えれば野外の公園と違って夏は涼しく冬は暖かく、犬に吠えられることも、野球のボールが飛んでくることもなく、何よりお医者さんが近くにいる!!
こんなに安心で快適な場所はないですね。(そしておしゃべりで喉が渇いたら自動販売機が完備されている!)
私はそんな待合いを密かに「待合いサロン『みどり』」と呼んでいます。

そんな中で、最近毎日のように来られているBさんのお話をしたいと思います。
Bさんはご近所で一人暮らしをされている70代の女性です。
大抵、朝早くから待合いにおられ、やって来る患者さんやスタッフに「おはよう」と声をかけてくれます。
Bさんはとてもいいお顔をされていて、いつもニコニコしています。
そのお顔で声をかけられると、こちらも笑顔になって楽しくなってくるのです。
そして、「お!今日も来られているな!」と思うわけです。

朝早く、用事で外に出ようとしていた私は、たまたま入り口でBさんとすれ違い「もう帰るの?さよなら」と声をかけられ苦笑い。
いえいえ、今からお仕事です…。
ある時は、しばらく来られていないなぁと思ったら、診察予約時に来られて受付で「ちょっと4階に行ってくるわな。」と言います。
「診察ありますけど、今行かれますか?すぐ戻られますか?」と問うと「え!?今日診察あるの?」とBさんビックリ。
私たちもビックリ。
診察のために来られたのではなく、本当に偶然遊びに寄られたんですね。
その後、Bさんは予定通り(?)診察を受けられ4階に行き帰って行かれました。
Bさんは長く通われていて入院歴もあるため、患者さん同士の知り合いも多いうえに、とても社交的な方で誰彼と声をかけ、声をかけられ楽しそうに過ごしていらっしゃいます。

今、独り暮らしのご高齢の方が増え、病院の周りにも通院される方の中にも少なくありません。
家に独りでいると、誰かと話したくなるものです。
他愛ない、昨日観たテレビの話や、最近世の中で起こったこと、何でもいいのです。
受付や会計にいても、カウンターで病気以外のお話をされる方がたくさんいらっしゃいます。
時間の許す限りお話を聞かせて頂くと、笑顔で帰っていかれる方もいます。
誰かに話を聞いてもらう、誰かの話を聞く、そんなコミュニケーションがいつの世でも大切なことなんだなぁと改めて感じます。

話はBさんに戻ります。
ある日曜日、いつものようにBさんが待合いにやって来ました。
しかし日曜日なので照明も暗く人もいません。
看護師さんと少しお話をされ、受付でも少しお話をし、その後も待合いに座られていました。
そして、たまたまお見舞いか何かでいらした男性とお話を始めました。
男性はBさんに歳を尋ね、「俺の母親と同じくらい」と親近感を持ったのか、身の上話を始めたようでした。
いつもは話をしていることの多いBさんですが、その日は男性の話にじっと耳を傾けていました。
10分程お話をして「また会おうな」とお互い言い合い、男性は帰って行かれました。
大阪人が言う「もうかりまっか?」くらい軽い挨拶のつもりの「また会おうな」だったかもしれません。
だけど、初めて会って10分足らず話をしただけで、でも何かしらの仲間意識が芽生えたのかもしれません。
感動すらしてしまいました。
この待合いサロン『みどり』で、またお二人が会ってお話されることを願いつつ…。
そうそう、Bさんが4階に行かれたお話をしましたが、なぜ4階に行かれたと思いますか?
入院中にリハビリをされていたBさん、リハビリのスタッフをとても気に入り会いに行かれていたそうです。
リハビリ室の入口からそっと内を伺っているBさんの目撃談もチラホラ聞きました。

病院の待合いが地域の皆様方の憩いの場になるのも素敵だと思いませんか?
皆様、是非一度、当サロンに足をお運びください。
ただし、待合いがいっぱいの時は、診察に来られた方に席をお譲り頂きますよう、くれぐれもお願い申し上げます。
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