何をしてほしいのか?」から患者さんの潜在的ニーズを掘り起こす

皆様は今このブログを何の媒体を使ってご覧頂いているでしょうか。
パソコンでしょうか、それともスマートフォンでしょうか。
情報化社会とも呼ばれ、欲しい情報を簡単に手に入れられる便利な時代になりました。
情報を発信する側といたしましても、当院の魅力を届けやすくなるのは嬉しい限りです。

さて今回は、そんな便利な世界を作ったと言っても過言ではない人物、スティーブ・ジョブズのお話をさせていただければと思います。

ジョブズといえば、「Apple2」というパソコンを売り出す為に米アップル社を作り、生前はアップル社のCEOとしてその手腕を振るったことで有名な人物です。
彼が生み出した製品や功績、名言などを挙げていけばキリがないのですが、今回はその中でも私が好きな言葉をひとつ紹介させていただければと思います。

「多くの場合、人は形にして見せてもらうまで自分は何が欲しいのか分からないものだ」

という言葉。

彼が手がけた製品の中で、間違いなく今の我々の生活を変えたものの一つにiPhoneが挙げられます。
iPhoneが登場し、その後「スマートフォン」というジャンルが確立される以前、我々は当たり前のように「ガラケー」を使っていました。
では、そんなガラケーを使っていた時代に「携帯電話なんだけどタッチパネル式で、折りたたまなくてパソコンみたいな機能を持った新しい製品が欲しい」と言える人がいたでしょうか。
恐らくいなかったことと思います。
iPhoneを見せられて初めて「こんな製品が欲しかった」と思ったのです。
見せられる前であれば、「もっと通信速度の速いガラケーが欲しい」というようなことを言っていたでしょう。

このように、人は潜在的に欲しいと思っているものがあっても、そのニーズを具体的に言い表すことは困難です。
「潜在的ニーズ」という呼び方もいたしますが、企業がマーケティングを行う際はこのことを理解しておく必要がございます。

さて、病院に来てくれる皆様が、我々みどり病院に求めていることとは何でしょうか。
より腕の良い医者が診てくれるということでしょうか。
より整った設備があることでしょうか。
それとも、待ち時間等が少なく、ストレスなく診察を終えられることでしょうか。
一番の目的は病気を治すことかと思いますが、他にも求めている事があるはずです。
しかし、その「他に求めているもの」が何なのか私たちには分かりません。
なぜなら、患者様たち自身も何を求めているのか分かっていないのですから。

そうなれば、私たちに出来ることは一つしかありません。
「患者さんはこんなことを求めているのではないか」
「もし自分が患者だったら病院職員にどんなことをしてほしいか?」
と思うことを、出来る限り形にして皆様の目の前にお出しすること。
そうして、「こんなサービスをして欲しかった」と思っていただければその取り組みは成功です。
例えば私は受付に立つことがあるのですが、その中で、患者さんの満足度を高める、そしてみどり病院が「選ばれる病院」になる為に心がけていることがあります。
それは、来院された方と病気と直接関係のない会話を楽しむこと。
私から話しかけることもあれば、話しかけられることもあります。
毎朝気温の話をする方や、本人や家族の近況について教えてくれる方。
高校野球が好きという話をしたら、山陽電車の割引券について教えてくれた方などもいます。
そのような、病院の業務とは関係の無い話を積極的にするようにしています。
いわゆる「マニュアル対応」ではなく、あえて少しだけ砕けた対応をしています。

マニュアル対応は、誰からも嫌われない代わりに誰からも好かれない接客方法です。
もちろんそれを否定する訳ではありませんが、親近感を持ってもらうことによって少しでも「感じがいいな」「また来たいな」と思っていただければいいと考えています。

これが本当に皆様のニーズに合致しているかは分かりません。
分かりませんが、思いついたことを1つずつ試し、少しでも皆様に喜んでいただけるよう、我々はこれからも「新しい形」を提供し続けていきます。

ですので、皆様も今後のみどり病院の活動にぜひ目を向けていただければと思います。