心遣いのできる看護師に・・・

今年の冬はとても寒かったですね。
あちこちで雪の被害があり、瀬戸内気候の神戸でも雪の舞う日が何度となくありました。
毎日あまりの寒さに「もう無理~。」と涙ながらに出勤していたのに・・・。
もう春です。
年をとるごとに月日があっという間に過ぎていきます。

いつも冬は入院患者さんが多く、今年の冬も漏れなく忙しい日々を送りました。
インフルエンザも流行りましたね。
今年のインフルエンザは、みなさんご存知の通り高熱が出ないことも多く、「隠れインフルエンザ」と呼ばれ、患者さんが37度台の熱があるとインフルエンザではないかと危惧する毎日が続きました。
各いう私も喉の痛みがあり、38度を超える発熱がありました。
幸いインフルエンザは陰性で、翌日には解熱もしたのですが全く声が出なくなりました。
全く・・・です。
でも元々喉が弱いほうなので、当日はそのうち治るだろうと高をくくっていましたが、2日・3日経っても全く声が出ません。
さすがに呑気な私も心配になってきました。
近所の内科で処方してもらった薬も効きません。
そんな状態の中勤務もしましたが、なんと言っても声が出ないので、電話を取っても息で話すというか・・・。
(お分かりいただけますか?)
患者さんのご家族や外部からの電話はうっかり取らないよう注意し、用事のあるスタッフの後姿に向かって声をかけたいのですが、呼び止められずスタッフは足早に逃げて・・・立ち去っていく有様。
心の中で何度「まってぇ~!」と叫んだことか。
1週間程こんな状態でした。
今度は近所の耳鼻科に行きました。
喉頭ファイバーで喉の様子を診てもらうと、声帯が腫れていて声門がピタッと閉じ・・・ません。
(本来は声門が閉じることで声が出ます。)
1ミリも動きません。
先生は「あーこれだね。急性喉頭炎を起こして声が出ないんだよ。まぁ抗生物質出しておくのと、吸入にしばらく通ってねー。」とおっしゃいます。
「どれくらいで治りますか?」と声にならない声で私。
「うーん、人によるからねぇ。声出したらダメですよ。保育士さんとかじゃないよねー?」
(保育士さんは大きな声で子ども達を呼んだりするので治りにくいらしいです。)
看護師も負けず劣らず大きな声を出すことが多いです。
でも看護師ですとは言えず、何だかもやもやしながら吸入して診察を終えました。
するとどうでしょう。その晩から少しずつ声が出始めて、今ではおかげ様でちゃんと声が出るようになりました。

長々と闘病記?をツラツラと書きましたが、つまりはかぜを引いて声が出なくなっただけでした。
でもその間、「喉にはこれがいいですよ。」と色々と教えてくれたり、喉に良さそうなアロマグッズを頂いたり、私の言いたいことを代弁してくれたりと、スタッフの皆には大変心遣いいただきました。
(心遣いと気遣いは似ていますが、気遣いは簡単に言うと最低限のマナーであるのに対し、心遣いは心や精神を思いやりの形で表現するものとされ、日本語では使い分けているそうです。)
やはりどんなに看護師の仕事をしていても、というか看護師の仕事をしているからこそ、色々な妄想が頭をよぎり、ちょっとした不調でも心配になったりします。
入院している患者さんはどんなに不安があるでしょう。
そんな時に、ちょっとした心遣いや言葉かけのできる看護師の役割は大きいのだと、身をもって再確認した出来事でした。

4月から新入職員を迎えます。
新入職員にとっては希望だけではなく、試練も山とあるでしょう。
でも、ひとつひとつを乗り越え、そんな「心遣い」のできる先輩たちのように成長して頂けたら嬉しく思います。