子供のころから、外から帰ってきたら「うがい、手洗いをしなさい」ってよく言われたと思います。
手洗いが風邪や感染予防に効果があることは周知のことと思いますが、「うがい」って本当に効果があるのでしょうか?
「うがい」は、鵜に魚を飲み込ませて、その後吐き出させる様子と似ていることから、「鵜飼」が語源になっているようです。
うがいをすることで、口腔内を洗浄したり、乾燥による口腔内のネバツキを解消して、口臭を予防したりする他、口腔内やのどの粘膜についた細菌やウイルスを洗い流すことができます。
また、のどを潤して異物を痰とともに排出する繊毛という毛の運動を活発にさせます。
口の中の雑菌が肺に入って肺炎を起こす「誤嚥性肺炎」の予防にも効果があります。
うがいの正しい方法は、口に中には様々な菌を先に排出させるため、まず口をゆすいでから、ガラガラとうがいをします。
10~15秒のうがいを最低3回行います。「お~」と発声しながらうがいをすると、水がこぼれにくく、声を出すことで喉の奥まで水分を届けることができるようです。
うがいの前に、手洗いをすることを忘れないでください。
水道水でうがいすることで、風邪予防になることが、京都大学の研究グループにより実証されています。
うがいをしない群と、ヨード液でうがいをする群、水道水でうがいをする群とで比較した結果、風邪に罹った率は、水道水でうがいをした群に軍配があがりました。
この時のうがいの頻度は、15秒×2回を1日3回行うというものでした。
イソジンなどのヨード系のうがい薬は、常在菌まで殺菌してしまうので、口腔内やのどの粘膜を傷つけ、感染に弱くなったと考えられています。
ただ、うがいをすることでインフルエンザを予防できるという科学的な根拠は証明されていません。
鼻からウイルスや菌が侵入した場合や、細胞に感染するまでのスピードが速いため、1日数回のうがいが予防にどこまで役立つのか判断が難しいようです。
しかし、普段から風邪予防のために、京都大学の実験のように、うがいを毎日15秒×2回を1日3回するというのは現実的には難しいです。
それよりも、うがいをするタイミングの方が大事で、外から帰って来た時、人込みに揉まれた時、口腔内や喉が乾燥してイガイガする時などに行うようにすると効果的です。
まだまだ、寒く、今年は乾燥が強いですので、感染予防に手洗いとうがいに心がけましょう。
・水うがいで風邪発症が4割減少
http://www.hoken.kyoto-u.ac.jp/wp-content/uploads/2015/03/gargle2007.pdf