インフルエンザ治療のタイミングと種類

インフルエンザ治療のタイミング

インフルエンザは症状が出始めてから48~72時間でウイルス量がピークとなるため、48時間以内に薬治療を開始します。
そうすると、症状も軽くなり、短期間で軽快します。

インフルエンザの治療薬

1.タミフル
1日2回、5日間服用する飲み薬です。
10歳以上の未成年では、服用後に異常行動を起こして転落するような事故があったため、10代への投与はできるだけ控えられています。
解熱しても5日間飲みきって下さい。
タミフルを服用し熱が下がっても、インフルエンザが完全に治ったわけではなく、ウイルスが増殖するのを抑えて、熱が下がっているだけです。
ですから、熱が下がったとしてもまだ体の中にはウイルスがいます。
熱が下がったからといって、外出してしまうと他の人に感染させてしまいます。
そして、タミフルを飲みきらないことによって、ウイルスが完全にいなくならずにまた症状がでてきてしまう。
さらに、タミフルに強くなった(耐性を持った)インフルエンザが出来てしまう恐れがあります。
そのため、タミフルは5日間必ず飲みきって下さい。
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2.リレンザ
粉状の薬を吸入するタイプのインフルエンザ治療薬です。
専用の吸入器を使って1日2回・5日間にわたって吸入します。
インフルエンザウイルスは気道で増殖するため、粉薬を直接吸入することでウイルスの増殖を抑えることができます。
粉薬というと、飲みにくいというイメージがありますが、リレンザはほんのりとした甘さが広がりますので、幅広い年代で気軽に使用することが出来ます。
もらったらできるだけ早目に吸入しましょう。
下痢、発疹、嘔気、動悸等の副作用があります。
妊婦も安心して使用することが出来るというのが、リレンザの最大の利点になります
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3.イナビル

1回だけ吸入する薬です。
10歳未満は1容器を1吸入、10歳以上は2容器を2つ吸入します。
ただし、1回できちんと薬を吸入する必要があるため、当院では薬剤師が説明しながら病院内にて吸入して頂いています。
きちんと吸入できれば一般的には1~2日で熱が下がり始め、効果が数日間持続します。
しかし、すぐにウイルスがいなくなるわけではないので、安静が大切です。
下痢、悪心、胃腸炎、蕁麻疹などの副作用があります。
イナビルも、妊婦も安心して使用することが出来ます。
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4.ラピアクタ
点滴注射薬のため、薬を飲んだり吸入したりするのが困難な患者さんにも投与することができます。
15分以上かけて一度だけ点滴静注します。
しかし、症状が重い患者さんの場合は1日1回、何日かに分けて投与することもあります。
ラピアクタによる副作用は、下痢、白血球減少、嘔吐、蛋白尿などがあります。
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このようにインフルエンザ治療薬にはいくつか種類があります。
年齢、状態に合わせて治療薬を選択していきますので、飲み薬は苦手、吸入が良いなど、医師にご相談下さい。
ただし、インフルエンザを発症して72時間以上たつとインフルエンザ治療薬は必要なく、熱を下げるなど症状に応じた薬のみになることもあります。
それは、48~72時間というピークからインフルエンザウイルスの量がだんだんと減ってきているからです。
インフルエンザかなと思ったら12時間以上48時間以内の受診が効果的です。