食事療法が必要と言われて頑張っている方の紹介
~糖尿病予備軍編~

栄養科


さて、今回は外来でお食事の相談をしている方のお話をします。
この方は私が関わった中で一番体重を減らされた方なのでとても印象的です。
60代女性で、糖尿病予備軍で食事を注意して行きましょうということで、お会いすることになりました。
146cm、94kg BMI44 HbA1c6.9。
20代後半から少しずつ体重が増えていき、今に至るそうです。
体重が重く、血糖値を下げる力が弱くなってしまっていました。
血液の検査で初めて血糖値が高いと言われ、ショックだったが、体重を減らす!!という目標を立てられました。

まずは2~3年かけて体重を減らして行くことにしました。
それからがすごいです。
初めてお会いしたときは体重が94kgでしたが毎月1~5%ずつ体重を減らされていて、1年で体重71kgまで減らされました。
今も継続的に食事のコントロールをされています。
体重が減ったことで服もだいぶん大きくなり、ブカブカになったズボンを見ると日々の努力を感じます。
間食をやめて、食事の量を減らし、毎食毎食カロリーのことを考えてコツコツと地道に取り組んでいらっしゃいます。
ときどき減らしすぎたから魚を少し増やしたほうがいいですよ、ビタミンDが多い食品などのお話をしたりして栄養失調にならないように注意しています。

その方が書いてくれた食事記録を少し紹介します。
その食事記録には食べたもの以外に一言コメントを書く欄があります。
なぜ、この食事内容にしたか、少し食べ過ぎた次の食事で調整しようなど、食事に関して思ったことをなんでも書けるようになっています。
そこに書いてあったコメントを少し紹介します。

毎日、食事を意識されていてふとした日に
「いつもと同じようにしているから、頑張ったことを書くことがなくて、
変わりなくしていることが頑張っていることなのかなと思うようにしている」
ほんとにそのとおりだと思います。
リバウンドしないように継続して食事を注意すること。
意識しているからこそ書けるコメントだと思いました。

自分で食事内容を振り返って
「もう少し野菜を増やそう、どんな野菜がいいのかまだ考え中」
ここでどの野菜が候補に上がったのだろうかと記入されている食事記録を確認しました。

また、ある日は
「夕食は少し残した。息子がお休みでショートケーキを持ってきてくれて一緒に食べた。
私のお誕生日の1日前、久しぶりでおいしかったけどカロリーを少し気にしてた」
1年に1回の特別の日、とても素敵な時間だったと思います。
ケーキを食べるために夕食を少し減らしているところが意識の高さだと思います。
その日のことを直接お話する機会があり、誕生日を祝ったの、食事のことを気にして夕食を減らしたの!一緒に食べたケーキおいしかった、とうれしそうでした。

食事は生活に密着しており、それぞれの生活スタイルがあるので、教科書通りにバランスよく食べるように変えていくことは難しいことだと思います。
でも、血糖値を下げたい!体重を減らす!という強い意志で頑張っているこの方の食事記録を読んでいると本人の気合を感じます。

また、上記に紹介した一言コメントを読むことでどんな思いで食事改善に向き合っているか伝わってきます。
ちなみに血糖値を下げる目的で始めた体重コントロールですが、スタート時にHbA1c6.9 空腹時血糖値137だった血液データが、薬を使わず1年後HbA1c5.9 空腹時血糖値 96になりました。

食事減らしてから「食べた~い!!」って気持も減ってきたし、この食事コントロールはずっと続けないといけないからね!!リバウンドしないように続けることが大切なのよ、と笑顔で相談の部屋を出て行かれます。
また、次回お会いできるのを楽しみにしています。

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