塩分どれくらいとっていますか?

栄養科

先日、当院のスタッフ数人で昼食に味噌汁を飲んでいた時のことです。
「家で作る時は味をもっと濃くする」という人や「うちはもっと薄い、そんな味濃いの病気になるよ」という会話になりました。
その時に改めて人の味覚の感じ方の違いを感じました。
皆さんは味の濃い物は好きですか?

当院にも、味の濃い物が大好きという患者さんもスタッフもたくさんいます。
一般的に塩分の取り過ぎは体に良くないというイメージがあると思いますが、自分が塩分をどれくらいとっているのか、考えたことありますか?

下記のAさんとBさんの1日の食事でその塩分量を見てみましょう。
この2人の食事内容を比べて見て、食塩をどれくらいとっていると思いますか?
多い?少ない?普通?

各家庭の味付けや食べる量にもよりますが、一般的に見るとAさんは1日で10.9g、Bさんは1日で17.8gをとっているということになります。
Aさんのような食生活をしている社会人の方も多いのではないでしょうか?
お忙しそうなBさんの食生活はインスタント食品等の加工品が多いですし、間食も多いので、どうしても塩分多めになってしまっていますね。
自分もこれくらいとっているかも・・・と、参考になった所で、次に塩分摂取の現状と基準を見てみましょう。

一般的に、日本人の食生活での食塩摂取量は男性10.8g、女性9.2gと言われています。(平成28年国民健康・栄養調査の結果より)
なので、Aさんは平均的な日本人の食生活タイプといえるかもしれません。
食塩10gをとっている?
例えば、缶ジュース1杯分(350ml)の海水を飲む!くらいの塩分量になります。
そう考えるとそんな塩辛い物を1日の中でちょっとずつとっているんだなと考えさせられます。
そして、厚生労働省が定めている20歳以上の食塩の摂取量の目標量は、男性8g未満、女性7g未満。
日本高血圧学会では、高血圧患者さんの場合、1日に6g未満に抑えるように推奨しています。
それを踏まえてみると実生活では厚生労働省や高血圧学会が定めている塩分量よりもやはり多くなってしまう傾向にありますね。
そういった食生活習慣から塩分を取り過ぎていると血圧や動脈硬化・脳梗塞・腎臓病など様々な疾患のリスクに繋がるといわれています。

そこで必要になってくるのは減塩です。
しかし、病気を予防する手段とはいえ、味が薄くて美味しくなかったら続けられませんよね・・・。
私たちの体は普段から濃い味に慣れすぎているので、少し薄くなると味がない、美味しくない、物足りないと感じてしまいます。
じゃあ減塩ってどんなことをしたらいいでしょうか?

① 新鮮な食品を使い、薄味での調理。
旬の食材や新鮮な物は、味付けも薄くおいしく仕上げることができます。

② 減塩食品を使う。
みそやしょうゆや麺、つくだ煮などたくさんの種類が発売されている減塩食品ですが、通常の食品を同じ量だけ食べた時には、塩の摂取量は約半分に抑えられます。
1日にとっている塩分量のうち、6割は調味料から、4割は加工食品からとっているとされているので、減塩食品の効果も期待できますね。

③ 麺類の汁はもったいないと思わず、残すようにする。
麺にももちろん塩分は含まれていますが、ラーメン等では麺とスープで約7gの塩分をとることになります。
スープを残すことで、3.5gの塩分摂取に抑えることができます。

④ 香辛料や香味野菜や果物の酸味を利用する。
とうがらしやカレー粉等の香辛料、しそ、ゆず、みょうがなどの香味野菜、レモン、すだち等の柑橘類は味付けに変化をつけることができて、あっさり食べられますよ。
また、食材を焼いた香ばしさやごまやクルミの香りなども美味しく減塩できる方法です。

⑤ 献立にメリハリをつける。
ご家庭で食事を作られる方は、何種類かおかずがある内の1つは味をしっかりつけて、残りのおかずは薄めにつけると、満足感の得られる食事になります。

⑥ 加工食品は控えめに。
加工食品(かまぼこ、ハム、ウィンナー、干物等)は塩分が多く含まれているので、取り過ぎには注意です。

①~⑥等の塩分の高いものを控えたり、取る塩分を減らす方法や、カリウムや他の栄養素を積極的に献立に取り入れ塩分を排泄しやすくするような方法もあるんですよ。
これらを踏まえて、Aさんの食事を減塩仕様にしてみましょう。

そんなに大きく変わっていませんが、この方の食事のパターンでは3ヵ所だけ減塩仕様にすることにしました。
①朝食べていた加工食品を変える。②昼食に食べていた汁ものを辞めるor頻度を見直す。③間食にとっていた煎餅の枚数を減らす。
たったこれだけでも、10.9gとっていた塩分は8.4gになり2.5gの削減に成功しています。
また、減塩調味料を使って調理すれば、更に減塩の効果も上がりますね。
減塩による降圧効果は個人差がありますが、平均1日1gを減らすごとに高血圧の方で上の血圧が1mmHg、下の血圧が0.5mmHg下がり、正常血圧の方はその半分くらい下がるというアメリカの研究結果もあります。
たった1mmHgか...と思いますが、16g~17gとっているBさんのような方が減塩し、日本人の一般的食塩摂取量近くの10g~11gにするだけでも減塩の効果はあるのではないでしょうか?

いかがでしたか?
生活の習慣や食生活は人により大きく違うので、参考程度に見て頂ければと思います。
いつから、どの年代から始めても遅いことはありませんが、早いうちからこういった減塩の意識を持つことは、疾患のリスクを減少させる効果もより大きいのではないでしょうか?
食生活の中で、今よりも少し減塩の意識をもって頂けたら幸いです。

メニュー