『電子カルテ』『紙カルテ』薬剤師の良いパートナーになり得るのはいったいどっち?

薬剤科


『電子カルテ』って皆さんご存知ですか?
医療関係の方は勿論ご存知でしょうが、それ以外の方はご存知ない方もおられるかと思いますので、少しだけ『電子カルテ』についてのお話をしたいと思います。
その前に『カルテ』について少しだけご説明します。
『カルテ』はドイツ語で「カード(Karte、英語の card)」という意味で、日本語に訳せば『診療録』になります。
皆さんが病気になってお医者さんにかかった時に、あなたの病気の状態や、検査値、施す治療の内容などを記録して保存しておくためのものです。

次回受診した時には、その記録を見て、良くなっているのか悪くなってしまっているのかも判断します。
十数年前では電子カルテなんてありませんでしたので、みんな紙のカルテでした。
お医者さんは、診察の時にそのカルテにボールペンなどで記入していきます。
私が子供の頃、調子が悪くなって医院で診てもらった時、お医者さんが何か読めない暗号みたいな文字で紙に書き込んでいたような記憶があります。
今から思うとそれはドイツ語か英語だったのでしょう。
あるお医者さんに聞いた話では、昔は先輩から、「カルテは患者さんに見られても何を書いているのかわからないように日本語では書かないようにしなさい!」と教えられていたそうです。
私が出会ったそのお医者さんは先輩の教えをしっかりと守っていた真面目なお医者さんだったのでしょう・・・。
今は逆にカルテ開示をしないといけない時代なので、誰にでもわかる言葉で書かなくてはなりません。
英語やドイツ語はもってのほかで、略号なんかもあまり使わない方が良いみたいです。
そんなカルテですが、今ではコンピュータシステムを使った『電子カルテ』に変わりつつあります。
当院でも2015年10月から電子カルテが導入されました。
そんな『電子カルテ』と『紙カルテ』を私なりに比較してみました。

<電子カルテが優れている点>

・データの再利用がしやすい(基本パソコンなのでコピー&ペーストが可能)
・字か上手でない人でも読みやすい字で記録できる
・紙カルテは保管場所が必要で、数が増えてくると場所の確保が大変だが、電子カルテだとその心配がない
・1冊のカルテを奪い合う事がない(これは、医療従事者、特に病院勤務の方にはわかってもらえると思います)

<紙カルテが優れている点>

・柔軟性がある(文字でも絵でも図でも好きな事を簡単に書き込む事が出来る)
・ペラペラとめくれば誰でも必要な情報がすぐに得られる(電子カルテはパソコンに弱い人にとっては操作する事自体がストレスです)
・災害が起きた時など、停電時でも使える(電子カルテは電気が通っていないと全く使えない)

では、薬剤師として実際に普段の業務で電子カルテを使ってみて気づいた事を幾つかあげてみたいと思います。

まず、良かった事は、
お医者さんの字が達筆過ぎて読めない!という事が無くなりました。
これは本当に助かっています。
「先生、これ何って書いているのですか?」なんてなかなか聞けませんよね・・・。
又カルテを見たいのに、お医者さんや看護師さんが使っている時は見れない!という事が無くなりなした。
以前紙カルテの時代には、薬剤師がカルテを使用している時に、お医者さんから患者さんへの説明などが入った場合、カルテを持って行かれる事がよくありました。(まあ仕方がない事なのですが・・・。)

一方悪かった事は、
電子カルテのシステム上仕方がない事なのですが、薬の処方内容の修正等の事務作業が増えてしまいました。
紙カルテの時代は、一度出た処方内容を変更する場合は、お医者さんがカルテに書き込んで薬局に連絡をくれるだけで良かったのですが、電子カルテになった今は、お医者さんから処方変更の指示が出たら薬剤師が代行入力という形で電子カルテに打ち込んでいます。
処方を修正するためには、これがまたややこしい作業をしないといけないのです。
この作業が地味に大変なのです。

電子カルテと紙カルテ、お互いに良いところ悪いところがある様に思います。
一概に電子カルテがダメ、紙カルテがダメということはありませんが、たまに「紙カルテの時代は融通がきいて良かったな!」と思うこともあります。
逆に「電子カルテが便利過ぎて紙カルテの時代には戻れないな!」と思うこともあります。
しかし時代の流れを考えると、電子カルテとは今後も付き合っていかなくてはならないでしょう。
電子カルテは所詮人間のための道具です。
上手く使うも使われるも使う人間次第なのです。
ですから私は、電子カルテの良いところをうまく引き出して上手に使っていきたいと思っています。

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