MRI検査における造影剤と造影画像とは

放射線科

造影剤について・・・

当院での造影検査は、MRIよりCTの方が圧倒的に多く行っていますが、CTで使う造影剤とMRIで使う造影剤は成分が全く異なり、身体への影響、使用制限、造影画像も大きく違います。
CTや血管造影(心臓カテーテル検査等)で使用する造影剤は『ヨード』を成分としていますが、MRIでは『ガドリニウム』を成分とした造影剤を使用しています。
そして、一番上の写真を見て分かる通り造影剤の入っている量が全然違います。
例えば、50kgの方の検査の場合、CTの造影剤は100ml使用しますが、(* MRIでは5mlしか使用しません。(**
他にもCTの造影剤は人体との浸透圧の違いや、造影剤の加温により投与すると体がものすごく熱くなってきますが、MRIの造影剤ではこのようなことは感じません。

(*  当院dynamic検査600mgI/kg 、 ヨード含有量300mg/mLを使用した場合
(** 当院使用の造影剤使用用量、用法による

ガドリニウムとは?

ガドリニウムとは元々銀白色の金属で、石のような形をしています。
そして、毒性が非常に高く、体内蓄積性もあります。
本来は危険な物質ですが造影剤の材料としては優れているため、毒性を低減させ、排泄を早く行う化合物へと変化させたものを造影剤としてMRIで使用しています。

造影検査の必要性と画像について

CTでも同様ですが、造影剤を使用すると血液の流れ、臓器への影響を詳しく調べる事ができます。
これにより画像診断をより正確に行うことができます。
特にMRIでは脳転移、手や足などの関節の炎症、様々な腫瘍の範囲や影響についてCTより分解能が高く、鮮明な画像を撮ることができます。

造影剤の使用制限と副作用について。NSFってなに?

●MRIガドリニウム造影剤副作用について
MRIの造影剤は、使用量は少ないですが、副作用が起こらないわけではありません。
CT同様に
【軽い副作用】気分不良、吐気、頭痛、かゆみ、発疹
【重篤な副作用】呼吸困難、意識障害、血圧低下
も起こる場合があります。

●使用制限について
・過去、重篤な副作用が現れた方
・造影剤アレルギーのある方
・喘息既往歴のある方、治療中の方
・重篤な肝障害、腎障害のある方
は原則造影剤が使えません。
また、
・妊娠中の方
・腎機能の悪い方
・高齢者および乳幼児
は造影剤の使用を止めるか、減量して検査する場合があります。
※CTではビグアナイド系糖尿病薬も検査前後は使用制限がありますが、MRIでは問題ありません!

●NSFについて
MRI造影剤で怖い副作用は腎性全身性線維症(NSF:nephrogenic systemic fibrosis)であり、特に腎機能が悪い患者や透析を受けている患者は発症しやすい疾患です。
造影検査を行ってから数日~数か月以降に発赤、疼痛などが現れ、重篤化すると、皮膚の硬化、筋肉や腱の石灰化が起こり、関節が拘縮し身体機能の障害が起こります。
そして、過去には死亡例もあります。
CTの造影検査では、透析患者でも透析前に造影剤を使用して検査を行うことができますが、MRIは腎機能が悪い方は透析も関係なく原則使用禁止です!!

MRIではガドリニウム以外の造影剤もあるんです

MRIでは基本的にガドリニウム造影剤が使用されますが、それ以外にも肝臓で使用される造影剤で、鉄(超常磁性体酸化鉄)を使用した造影剤『SPIO』というものがあります。
転移性腫瘍の検査に使用され、鉄にアレルギーがなければ使用可能な造影剤ですが、今ではあまり検査が行われていません。
そして、お腹の胆のう、すい臓、胆管をみるMRIで使う造影剤は塩化マンガン四水和物というものを主成分として、検査前に口から飲んで検査をおこなう造影剤になります。
この造影剤は他の薬と違って、見たい(腫瘍や炎症)部分が造影剤で染まるわけでなく、検査に邪魔となってしまう胃や十二指腸などの水の信号を抑え、胆のうやすい臓を見やすくする造影剤になります。
こちらの薬はお腹が少し緩くなる場合がありますが、それ以外の副作用はほとんどありません。

当院MRI装置について詳しくはこちらの記事をご覧ください
http://midori-hp.or.jp/radiology-blog/open_mri/

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