お腹の渋滞は重体なのだ!!~画像で見る腸閉塞(イレウス)~

放射線科

みなさんは、「イレウス」という言葉を聞いたことがありますか?
あまり馴染みがないという方が、ほとんどかもしれませんね。
それでは「腸閉塞(ちょうへいそく)」というと、聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今回は、腸閉塞(イレウス)についてご紹介させていただきたいと思います。

~腸閉塞(イレウス)ってなに?~

正常な腸では、口から入った食べ物はお尻へ向かって一方通行で流れていき、その途中で分泌される消化液とともに小腸から大腸を進む中で再吸収され、お尻へ到達する頃には最小限の不要物(便)として体外へ排出されるようにできています。

しかし「腸閉塞(イレウス)」になると、口から入った食べ物が分泌された消化液とともにお尻へ流れて行こうとしても、何らかの原因によってその道を閉ざされ・塞がれてしまうのです。

~腸閉塞(イレウス)を分類してみよう~

腸閉塞(イレウス)は、主に「機械的イレウス」「機能的イレウス」と呼ばれる2つに分類されます。

●機械的イレウス●
機械的イレウスとは、腸管の狭窄(狭くなること)や屈曲(折れ曲がってしまうこと)などが原因で、腸管内容物の流れが阻害された状態をいいます。

また、機械的イレウスのなかでも腸管の血行障害(血の巡りが悪いこと)を伴ったもの「絞扼性(こうやくせい)イレウス」と呼び、血液の流れが悪くなっていることから腸管の壊死(細胞の一部が死んでいる状態)に繋がる可能性が大きい腸閉塞(イレウス)になります。
腸管が壊死した場合、腸に孔(あな)があいたり、それによりお腹の中に菌が広がり炎症を起こす腹膜炎(ふくまくえん)や、血管内に細菌が入り込み感染する敗血症(はいけつしょう)などを起こす可能性があり、これらは重体になりやすく危険な状態といえます。

●機能的イレウス●
機能的イレウスとは、閉塞する原因が不明瞭で腸管の運動障害(麻痺や痙攣(けいれん))により腸管内容物(食べ物や消化液)が停滞した状態をいいます。

~実際の画像で腸閉塞(イレウス)を見てみよう~

腸閉塞(イレウス)の画像を見る前に、まず正常なお腹の画像を見てみましょう!

~正常画像~

図1 右側のCT画像において、赤色の矢印で指し示したものが「胃」、黄緑色の矢印で指し示したものが「腸」になります。中に黒く写っているのは空気(ガス)で異常ではありません。


図1:正常なお腹の画像(左:レントゲン写真、右:CT画像)

正常なお腹のレントゲン写真については前回記事をご覧ください。
「「最近お腹の調子が悪いねん。」~お腹のレントゲン写真のご紹介~」
URL:http://midori-hp.or.jp/radiology-blog/web19_2_5/

~腸閉塞(イレウス)画像~
まず、図2のレントゲン写真から見て行きましょう。
腸閉塞(イレウス)になると腸管内容物(食べ物や消化液)が停滞してしまうと上記でお話しましたが、この特徴的な症状をレントゲン写真では確認することが出来ます。
黄色の矢印で指し示したところは液面形成(ニボー像)と呼ばれる部分で、体を起こした状態で撮影することで腸管内のガスと貯留した内容物の境界を写し出しています。


図2:腸閉塞(イレウス)のレントゲン写真

次に図3のCT検査画像を見て行きましょう。
CT検査では寝台に寝て検査を行うため、レントゲン写真と同じ向きから見たこの画像では液面形成(ニボー像)は見られません。
図3右側の腸管の一部を拡大した画像を見て頂くと、腸管壁が白く・貯留した内容物が濃い灰色で写っているのがお分かり頂けるのではないでしょうか?
これは図1の正常画像と比較して頂くと分かりやすいかと思いますが、正常な腸管壁ははっきりと見えないことが多く、図3のようにはっきりと見えるのは腸管壁が肥厚(分厚くなっている)していることを表しています。


図3:腸閉塞(イレウス)のCT検査画像

このように、腸管内ガスと貯留した内容物による液面形成(ニボー像)や、腸管壁の肥厚といった特徴的な所見から、腸閉塞(イレウス)であると考えられます。

また症状としては、腹痛・腹満(お腹が張った状態)・吐き気・嘔吐・排便や排ガスの停止などが挙げられます。

~まとめ~

今回は腸閉塞(イレウス)の画像所見について、ご紹介させて頂きました。
腸閉塞(イレウス)について知っていた方も、知らなかった方も、今回の記事を通してレントゲン写真やCT検査画像をじっくりと見て頂き、これまで以上に腸閉塞(イレウス)について知っていただけたのではと思います。

ちなみに、、、
“イレウス”という言葉は、 “腸の疝痛(せんつう)”を意味するギリシャ語だそうです♪
(※疝痛(せんつう):消化器疾患に伴って生じる激しい腹痛のこと)
出来れば一生縁のない病気であってほしいですね。。。( ;∀;)

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