悪循環の介護って?

地域連携室

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暑い夏が終わり、ようやく朝、夕に涼しさを感じるころとなりました。
みどり病院地域連携室では毎日多くの相談が寄せられます。
今回は身近な人に介護が必要になったときどうしたらよいか例を挙げて紹介いたします。

症例1 いきなり介護が必要になったNさん。90歳。

少し難聴がありますが、昨日まではお出かけも独りでできるお元気な男性でした。
自宅の階段で転倒し、骨折。
高齢者にはよくある話ですが、Nさんは骨折だけでなく、肺炎などの内科的な病気も併発し、骨折の手術ができず1か月間寝たきり状態でした。
状態が落ち着き、手術をすることができたのですが、難聴の為、コミュニケーションをとるのが難しく、体のだるさや痛みからリハビリもすすまず、このまま寝たきりとなってしまうのでは?と危惧しました。
幸い、ご家族のサポートにも助けられ、何とか見守りで歩行できるまで回復することが出来ました。

症例2 転倒、骨折を繰り返すJさん。90歳。

ヘルパーの介護サービスを受けながら、自宅にお独りで生活をされていた女性。
約1年の間に3回も骨折(腰椎圧迫骨折)をくりかえし、少しずつできることが少なくなってきています。
お年相応の物忘れはありますが、長い間お独りで生活されており、入院中にリハビリをして元のご自宅に戻ることに意欲的です。

症例3 喘息により入院となったMさん。86歳。

肺のご病気で在宅酸素療法(常時チューブで酸素吸入をしている状態)を受けながら自宅にお独りで生活されていた女性。
喘息の発作が治まり、短期のうちに退院が出来そうな状態です。
自宅では宅配の食事を利用しながら、デイサービスの利用やヘルパーを利用して生活されており、今回も早く自宅に戻れるようにリハビリを頑張っておられます。
ご案内した3名の患者様は皆さまお歳を重ねておられますが、今までの生活と比べながら、一生懸命元の生活に戻ろうと頑張っておられます。

しかし、一方ではこのような声が聞かれます
・せっかく良くなったのだから、無理したらアカン(駄目)
・また、こけない(転倒しない)ように気を付けないと
・一人で買い物は危ないね
・一人で生活は無理かもしれない
・良くなるまで入院してもらいたい
・心配だからもう少し入院でお願いしたい
・危ないからあんまり出歩かないように伝えます

ん??????

親がお歳を重ね、心配なのはよくわかりますが、本当にそれでよいのでしょうか?

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介護保険が導入となった平成12年からのデータですが、介護な必要な方は年々増加しています。
末永く、元気で過ごすことができるためには、心配だからという理由でやってしまうのではなく、長期的なことを見据えて、サポートすることが大切です。

【廃用症候群】
必要以上に安静にしたり、活動性が低下したりすることによって身体に生じた状態です。
入院されると、安静にしてベッド上に寝ていることが当たり前ですが、これが長く続くと、廃用症候群を引き起こしてしまいます。

【廃用症候群の原因】
ベッド上で安静の状態で筋の収縮が行われないと、1週間で10%~15%の筋力が低下するといわれています。
高齢者では2週間の安静で、下肢の筋肉の2割が委縮するとも言われています。
過度に安静にしたり、あまり身体を動かさなくなると、筋力が痩せおとろえたり、関節の動きが悪くなります。
そして、そのことがさらに活動性を低下させることとなり、ますます全身の身体機能に悪影響をもたらし、最悪では寝たきりの状態となってしまいます。

【廃用症候群を予防するために】
できるだけ寝た状態を存続させないように、入院中の患者様であれば早期からリハビリを実施します。
自宅でも、お手伝いするのではなく、ご自身でできることは時間がかかってもできるだけ見守りながら実施してもらい、今できることを一つでも維持することが大切となってきます。

症例1

ご家族とお住まいでしたが、日中独居となるため、介護保険の申請を行い、一時は施設での生活を考えました。
施設入所は長期的なものではなく、退院後も集中的にリハビリを実施し、排泄の自立を促すためのプランとしました。
実際は、入院の短期間の間にリハビリが進み、手すり等の住宅改修と福祉用具の手配で自宅に退院することが出来ました。

症例2

転倒、骨折を繰り返すことから自宅でサポートしているヘルパーさんより心配の声が強く聞かれました。
ご本人も短期間のリハビリでお独り暮らしの自宅に戻ることに強い不安がありました。
将来的に自宅で生活することを目標に、退院後すぐ短期間の施設利用の調整を行いました。

症例3

在宅酸素療法(常時チューブで酸素吸入をしている状態)を受けながら独りで生活をしていることに大きく不安を感じたご家族は独り暮らしに反対されていました。
病院でしっかりリハビリを行い、まだまだお独りで生活できる様子をご家族に確認してもらいながら介護サービスの調整を行い退院されました。

ご家族を強く思う気持ちが悪循環にならないように、みどり病院地域連携室ではご本人だけでなく、ご家族様の気持ちもくみ取りながら療養についてのいろいろなアドバイスを実施しています。
介護にお悩みのことがございましたらいつでもご相談ください。

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