呼吸について

人は、「おぎゃー」と生まれた時から自らの呼吸を始めます。
この世の生きとし生けるものすべては、肺呼吸、エラ呼吸、気管呼吸、気孔など方法は違っても呼吸をして生きています。
呼吸回数は成人では1分間に15~20回で、人が一生で呼吸する回数はおよそ6~7億回といわれています。
人は、呼吸調節を不随意的・随意的な調節を行っています。
前者は緊張や怒りなど情動によるみだれ、後者は発声や発話、息止め、深呼吸など随意的な操作が行えることです。
呼吸は体の使い方で2種類あります。
腹式呼吸と胸式呼吸です。
リハビリテーションでは、身体機能の回復治療とともに腹式呼吸を指導しております。
特に術前の呼吸訓練は、術後の呼吸器合併症(呼吸不全・無気肺など)の予防のため重要です。
また、術後は、臥床により横隔膜の動きを抑制するため、術前から積極的に動かすことが必要です。

腹式呼吸とは

お腹をゆっくりと膨らませたりへこませたりして呼吸する方法です。
空気を吸い込むとき胸郭は広がり横隔膜は下がり肺がより広がるようにします。
また吐くときは、胸郭を縮め横隔膜は上がり肺の空気をより押し出すようにします。
副交感神経を優位にし、リラックス効果があり、長くゆったりとした呼吸をすることで緊張を解きほぐします。
また、血液循環の改善や胃腸の消化機能、新陳代謝等が活発になります。

胸式呼吸とは

女性に多く見られます。
肋骨の間にある肋間筋が収縮すると肋骨が持ち上がり胸郭が前後左右に拡大し、これによって肺は広がり息を吸い込むことができます。
反対に肋間筋が弛緩して胸郭が縮小するといきを吐き出すことができます。
運動時や深呼吸するときなど肋間筋以外にも胸や首回りの筋肉など多くの筋肉を使います。
よって、交換神経を優位にし、体や頭を目覚めさせます。

それでは、腹式呼吸をやってみましょう。
①横になりましょう
②軽く膝を立ておなかに手を当てましょう
③ゆっくりと口をすぼめて息を吐き出しましょう
④お腹に手を当てゆっくりと1・2・3と鼻で吸っておなかを膨らませます、4.5.6.7.8.9.10と口笛を吹くようにゆっくりと息を吐きましょう

出来ましたか?
1回に10回程度繰り返して1日に3回は行いましょう。
これは腰かけた姿勢でも立った状態でもできる呼吸法です。
呼吸筋のトレーニングと心身のリラックスのため日常的に行ってください。