住宅改修のはなし

20160801_rehabilitation_01
住宅改修とは、本人の能力を活かし、安全な動作を助け、そして導く。
また介助する者の負担を軽減する手段のひとつです。

住宅改修には以下のようなものがあります。
1)手すりの取り付け
2)段差の解消
3)滑りの防止及び移動の円滑さ(通路面の材料の変更)
4)引き戸等への扉の取換え
5)洋式便座等への便座の取り換え
6)その他必要となる住宅改修(厚生労働大臣が定める住宅改修の支給に係る家屋改修の種類より)

従来からの日本住宅は、柔らかな畳があり、木の温もりが伝わり居心地の良い造りとなっています。
一見、人に優しい住宅環境に思えますが、良い点がある反面、欠点もあります。
特に高齢の方の身体機能面からみると、多くの日本住宅では段差が多く、廊下や開口部の幅員が狭いことが多いです。
また従来の和式トイレではしゃがむ動作が難しいなどの問題点があることも事実です。
そこで環境にひと手間加え、福祉用具を使用することで日本住宅の住みやすさを継続して安全で快適な生活を送る。
これこそが住宅改修ではないでしょうか。

【住宅改修・福祉用具の具体例】

<玄関>
20160801_rehabilitation_02
立位バランスが悪く、立って靴の着脱が困難な方に対し、このように椅子を設置します。
椅子を設置することで座った状態での靴の着脱を可能にします。
また段差昇降が立った状態では不安定な方も、このような工夫で座った状態で上がりかまちのまたぎが可能となります。
20160801_rehabilitation_03
これは電動昇降機です。
主に車椅子を利用する方に使用します。
玄関の広さや、段差を考え、自室へ直結する裏の大きな窓から出入りする方法を取ることもあります。

<室内移動>
20160801_rehabilitation_04
これはベストポジションバーという商品です。
手すりを使用すれば安定した移動が可能な方に対して使用することがあります。
一般的には手すりは床から750~800mm、大腿骨の大転子あたりの高さに設置します。
通常、廊下などに手すりを設置すれば良いのですが、ベッドから廊下までの移動距離が長く、廊下までにつたい歩く手すりがない場合に設置します。
これにより安心してトイレなどへ伝って移動できるよう考慮します。
ただし、天井や建物の強度により設置が困難な場合もありますので注意が必要です。

<トイレ>
20160801_rehabilitation_05
これは和式トイレ用の据え置き座面です。
蹲踞(そんきょ)座位が困難で転倒リスクのある方に使用します。
これにより洋式スタイルでの排泄を可能とします。

<浴室>
20160801_rehabilitation_06
これはバスボードです。
一般家庭では据え置き浴槽も多く、浴槽をまたぐのが困難な方に使用します。
これを使用することで、バスボードに腰を掛けた状態での浴槽の跨ぎ動作が可能となります。

【住宅改修について思うこと】

・人は環境にも左右されます。「安全に生活できる」ために住宅環境の工夫が大切です。
・利用者さまのことのみを考える「住宅改修」はおすすめしません。一緒に暮らすご家族も生活しやすい環境を提案することも大切なのです。
・現時点の運動機能のみを評価した住宅環境を提案するのではなく、今後の変化していく運動機能にも考慮した住宅環境の提案が必要ではないでしょうか。

【当院の住宅改修への取り組み】

2000(平成12)年の4月からの介護保険制度の実施により、在宅生活をできる限り継続させる基本原則に基づき、介護保険においても住宅改修や福祉用具の活用が進められています。
当院では入院患者さまに対し、必要に応じて「家屋訪問」を実施します。
その際、可能な限りケアマネージャーや福祉用具などの業者の方に同席して頂きます。
その理由としまして、退院後に患者さまが実際に係るスタッフと連携を深めると同時に、患者さまの身体状況を可能な限り関係スタッフやご家族さまに把握して頂くためです。
このように正確な情報交換をおこなうことで、より良い住宅改修のお手伝いを心掛けております。
私たちリハビリテーション科は入院時の身体機能回復だけではなく、住宅改修の提案を通じても、退院後の「あなたの自分でできる」を応援します。

メニュー