自助具のはなし

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自助具とは、身体の不自由な人が日常の生活動作をより便利に、より容易にできるように工夫された道具です。
英語では「Self-help devices」(自らを助ける機器)といい、日本語でも英語でも、文字どおりの意味です。
自助具は福祉機器の中で最も身近な道具であり、生活を広げるものであるといえます。
(HCR国際福祉機器展 自助具編より)

自助具の一例を見てみましょう

【食 事】
利き手が不自由になると食べ物を口元に運ぶことが難しくなってきます。
時間がかかっても自分でおいしく食べられることを助けるものとして、グリップ付のお箸、握りやすいスプーン、曲げて使えるスプーン、内側に反しの付いたすくいやすい皿などがあります。

【整 容】
櫛やヘアブラシ、歯ブラシや爪切り、理美容用具から化粧道具まで対象になります。
顔や頭に手が届きにくい人場合に、ブラシの柄の長さや角度を工夫したものや、お一人で爪が切れることを助ける台付爪切りなどがあります。

【更 衣】
指の細かい動きが難しくボタンが掛けられない場合には、片手でできるボタンエイド、股関節や膝関節が曲がりにくく、上手く前傾姿勢がとれない場合には前傾姿勢を取らずに靴下やストッキングを履くことのできる自助具があります。
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【入 浴】
両側に紐をつけたループ付タオルなど、工夫されたボディブラシやボディタオル、長い柄の洗髪・洗体用具、握らずに持てるシャワーノズルなどがあります。
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【家 事】
片手でも調理ができるように、包丁の固定装置がついたまな板や、切るものを釘に刺して固定する釘付まな板、手の状況に合わせて柄の向きや角度、あるいは形状まで変えられる包丁があります。
バターやジャムを塗る際に食パンがずれない様固定するプレートなどもあります。

【その他】
他にも、ドアの丸ノブや水道栓の開閉を容易にするレバー、差し込んだ鍵などの小さなつまみを回すハンドル手の届かないところのものを取る、引き寄せるなどの動作を補助するリーチャー、薬の錠剤やカプセルを取り出す用具などあらゆる場面で自助具が作られています。

自助具について思うこと

私が作業療法科の学生だった頃は、今のように市販品は多くありませんでした。
ボタンエイドや長柄の洗体ブラシはありましたが、輸入品で大きく、重たかったように思います。
ですから、授業では作業療法士の先人達が開発した自助具の作り方を学んだり、実習で「できないこと」「不便なこと」を伺い、その人に合わせた自助具を手作りしたものでした。
私が初めて作った自助具は「リーチャー」でした。
できるだけ軽量で折れにくく、持ちやすいものという要望をかなえるため、ホームセンターで材料選びから始めます。
軽量で耐久性のある棒は園芸コーナーにある緑の支柱、先の引っかける金属部分はS字フックを曲げて使用しました。
それらを自由樹脂(お湯につけると柔らかくなり冷えると固まる素材)で接着し完成です。
長さや角度すべてオーダーメイドで作りますので大変でした。

最近では市販されている自助具の種類も増えてきています。
使用時の保証等の面を考えると、市販品の方が良いこともあります。
また、より多くの人に配慮した考えで作られたユニバーサルデザインの製品も出回るようになりました。
ペットボトル・プルトップオープナーという商品があります。
もともとは握力の弱い方や片手が不自由になった方にお一人で開けられる道具としてご紹介していました。
ところが、意外な場所で発見したのです。
ネイルアートをしている若い女性がその大事な爪を傷つけないための商品「デコ用オープナー」として100円均一のお店で売っていました。
まさにユニバーサルデザインですね。
ともあれ、100円均一で売っているので、とっても購入しやすくなりました。

自助具は日常生活動作を助ける道具です。
10年前の生活様式と今の生活様式が少しずつ変化してきているように、求められる自助具も日々変化してきています。
先日も指が変形してスマートフォンの操作がし難いとう相談があり液晶用タッチペンをご紹介しました。
日々新商品の情報にも注意しておく必要があります。
しかし、使う人の生活範囲や障害は一人ひとり異なるため、その使用目的と身体機能を理解した上で選ぶ必要があります。
選ぶ際には、機能説明や仕様書を見るだけでなくその使い勝手をイメージし、サイズや重さが使う人に合っているか、介護用品ショップや福祉機器の展示場で実際に手に取って試してみることも大切です。
そしてオーダーメイドの考え方でその人にピッタリ合うように調整することが大事です。

できないとあきらめていることはありませんか?
ちょっとした工夫で生活がしやすくなるかもしれません。
一緒に自助具を試してみましょう。
私たちリハビリテーション科はあなたの自分でできるを応援します。

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