自分でできる肩関節周囲炎のリハビリテーション

今年も残りわずかとなり、寒い日が続いていますがいかがお過ごしでしょうか。
来年の5月から新しい年号となるため、これが平成最後の冬ということになりますね。
さて前回、「肩関節周囲炎とは」というお話をさせていただきましたが、今回は肩関節周囲炎に対する、自分でできるリハビリテーションについてお話していきたいと思います。

本題へ入る前に前回のおさらいになりますが、筋肉が原因で起こる肩こりとは違い、肩関節周囲炎とは、関節を構成する骨・軟骨・靭帯や腱などが老化し、肩関節の周囲の組織に炎症が起こった状態です。
炎症が生じることにより、肩関節を支えている筋肉に痛みが生じます。肩関節周囲炎を発症すると様々な箇所に痛みが生じますが、肩関節の前方に痛みが生じることが特に多いといわれています。
また、前方に痛みが生じることで痛みを避けようと自然に肩が前へ前へと出てきます。
こうして体が丸く姿勢が悪くなることで、さらに肩が挙がらなくなるといった悪循環が生じます。

では、そんな辛い痛みを和らげ、痛みに悩まない体を手に入れるために自分でできるリハビリテーションについてお話していきます。
まず痛みが出てすぐや痛みがひどいときは、炎症が落ち着くまで冷湿布や氷枕などでアイシングを行い患部の安静と無理のない生活を心がけていただくことが大切です。

次に痛みが落ち着いたら、ストレッチを行いましょう。
自分でできるストレッチをいくつか紹介していきます。

◆肩甲骨を内側へ寄せるストレッチ
肩甲骨を寄せるようにゆっくり後ろへ肘を引き、ぐっと胸を前へ張ります。
これを行うことで丸くなった肩を正常の位置に近づけることができます。
この姿勢を10秒キープ→緩めるを数回繰り返します。

◆タオル体操
タオルを使用し肩のストレッチを行います。
①タオルを両手で持ち、万歳するように上へ上げます。

②左右斜め上へ手を上げます(脇の裏側を伸ばすように)

その後、日常生活上で痛みが減ってきたら、筋力トレーニング(以下 筋トレ)も並行して開始しましょう。
皆さんの自宅にもあるもので簡単にできる筋トレを2つ紹介します。

◆ペットボトルを使用する筋トレ(中に入れる水の量で負荷を調整しましょう)
500mlのペットボトルを使用して筋トレを行っていきます。
①片方の手でペットボトルを持ち、90°挙げます(10秒キープ)
②①の状態からそのまま横へ移動させます。(10秒キープ)

◆ストッキングを使用する筋トレ
使わなくなったストッキングを使用して筋トレを行っていきます。
①肘を90°に曲げ脇を閉めた状態でストッキングの両端を持ちます。
②一方の手にストッキングを数回巻くなど固定し、もう片方の手で脇を閉じたまま写真のように腕のみ横に広げます。

今回は自分でできる肩関節周囲炎に対してのリハビリテーションについて取り上げました。
これらは痛みのない範囲で無理せず継続することが大切です。
また、痛みが治まらない、ひどくなる等ありましたら、お近くの専門医へ相談することをおすすめします。
肩の痛みに負けない体を手に入れ、寒い冬を乗り越えましょう。