【岡田センター長】第10回日本心臓弁膜症学会にて座長を務めました

日時・2019年11月29日、30日
会場・浜松町コンベンションホール

座長:岡田 行功
「current role of surgery in secondary TR」
演者:Michele De Bonis

第10回日本弁膜症学会が東京浜松町で11月29日、30日に開催された。心臓弁膜症の診断、治療の変革・進歩は最近の10年では目を見張るものがある。高齢者弁膜症のトップは大動脈弁狭窄症で、80歳以上の高度狭窄症例ではカテーテル治療によるTAVRが広く有用であると報告され臨床応用されるようになっている。日本での実施施設は100施設を超える勢いであり、その臨床成績はすぐれたものであるとの報告があった。初日のシンポジウムは心筋梗塞に合併する機能性僧帽弁逆流の診断と治療であった。この疾患の治療は内科治療、ペースメーカー治療、最近のクリップによる治療、そして外科手術と実に幅が広く、それぞれの治療には限界があり、重症例での遠隔生存率は低いことが実情である。生存率を改善する治療法、治療の時期に関して活発な議論が行われた。僧帽弁膜症、心房細動に合併する三尖弁逆流(機能性)に対する外科治療に関してミラノから来日したミケーレ・デュボニスの講演があり座長を務めた。ミケーレの大学では僧帽弁逆流に対するアルフエーリ手術が開発され、高度三尖弁逆流ではクローバーテクニックが報告され、僧帽弁領域、三尖弁領域で150篇以上の論文が発表されている有名な施設である。ミケーレは弁膜症診断・治療に関するヨーロッパのガイドラインに大きく貢献している若手のホープである。僧帽弁逆流、三尖弁逆流に関するセッションでは適切なコメントがあり議論が盛り上がった。
最近のカテーテル治療TAVR、MitraClipの成績と問題点に関しても報告があった。三尖弁逆流に対するカテーテル治療は開発途中であり、有効な手段とはなっていない。最終日には、大動脈弁逆流に対する弁温存形成術の実技修練プログラムが実施された。
高齢者社会では弁膜症の増加が必至であるといわれているので、診断、的確な治療を議論してゆく専門家集団が重要となってくる。ガイドラインの紹介を含めて今後に期待するところは大きいと考えられた。

倫生会みどり病院心臓弁膜症センター
センター長、元日本弁膜症学会代表世話人
岡田 行功

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