ホームの一番の年長者です。

「♪ランランラ~ン♪」ナースコールが鳴りました。
もみじユニット・・Yさんです。
認知症のある方はナースコールの存在、ナースコールを鳴らすことを忘れておられる方が多いです。
ホームでも鳴らすことが出来る方は少ないですが、「♪ランランラ~ン♪」とよく鳴るのは“もみじユニットのYさん”です。
きっちりとした性格をされておられ、日々の暮らしは決まったルーチンで動かれています。
起きる時間、整容の手順、好きな阪神の試合は欠かさず観戦され、足浴の時間、ベッドへ入られる時間・・ナースコールでお知らせくださいます。
お買い物、散歩もお好きで気候の良い時は「今日はええ天気やなぁ、散歩行けるか?」と、聞かれ、出かけると素敵な笑顔になられます。

Yさんは大正7年兵庫区でお生まれになり、戦争に行かれ、その後は神戸で定年まで働かれ、定年後も神戸で勤められ、ずっと神戸でお過ごしになられています。
そして今もこの希の丘、神戸で奥様と共にお過ごしです。
家族と海外旅行にも何度も行かれておられ、ご家族をとても大切にされています。
今も奥様を見つめる眼差しはとても温かく、見ている私たちもほっこりさせられます。

Yさんは今年の6月で99歳になられました。
誕生会では満面の笑顔と感謝のお言葉を言ってくださいました。
99歳、足、腰の痛みなど長年使ってこられたお身体の痛みはあちこちあって、足の浮腫がかなりひどく、ユニットの職員が毎日夜8時に足浴、マッサージを行ってきました。
そしてアドバイスを頂いているPTさんの指導を受け、午前の30分、午後の30分をベッド臥床していただき、膝の裏側にバスタオルでクッションを作り休んでいただくようにしてみました。
すると、足の浮腫はかなり軽減してこられ、Yさんも職員も喜んでいました。
腫れはかなり治まったのですが、足浴は今も続けています。
足が温もるとよく眠れるそうです。
ですが最近は日中にウトウトと眠られる時間が多くなり、夜、何度もナースコールが鳴る日が続いています。
「眠れない」「足がしびれる」「足が痛い」「マッサージして」「湿布貼って」との声がきかれます。
職員もできるだけYさんの言われるように対応させてもらっていますがなかなか良くならないようです。
“足をしっかり温めてみよう”“湿布を貼ってみよう”“クリームを塗ってみよう”“日中の活動量を増やすとよく眠れるのでは・・”と、色々試しています。
まだ結果は出ていませんがYさんが夜ゆっくり眠ることができるように・・試行錯誤しながらYさんと一緒に考えていきたいです。
そして来年の6月、この神戸の希の丘で、奥様と共に笑顔で100本のろうそくを吹き消していただきたいです。