「お姉ちゃんいつもありがとうね」と私に声を掛けてくださいます。 ~優しいSさんのこと~

ホープ/希の丘

<今月の主人公>

今月の主人公はSさん(女性91歳)です。
Sさんは生粋の浪速っ娘です。生まれも育ちも大阪でSさんの関西弁は歯切れも良く、聞いていて心地よいです。
Sさんのご主人は高校球児で甲子園にも出場されたそうです。“「紅顔の美男子が投げました」言われてましたわ。”と、ニコニコしながら嬉しそうに話されるSさんはとても可愛らしく素敵です。そんな自慢のご主人を亡くされてからは、二人の娘さんがSさんを支えてこられたそうです。
長女さんは関東、次女さんは神戸に住んでおられますがよく3人で旅行に行かれたり、誕生日には集まっていたそうです。Sさんにとって2人の娘さんはとても自慢の娘さんだそうで、「娘たちは優秀やったよ。次女の同級生が、次女が学級委員に選ばれた理由はスカートが可愛かったからって。私が作ったスカートのおかげで学級委員になったんやで」と嬉しそうに話してくださいます。今でも娘さんの訪問時にはお部屋で楽しそうにお話をされたり、ホームの中を一緒に散歩されたりお互いがとても信頼し合っておられるように感じます。

<ここに母を住まわせたい>

そんなお母さん想いの娘さんが希の丘を訪ねてこられたのは平成29年の10月のことです。
希の丘の前を通りかかった娘さんが「ここはなんていう所ですか?」と言われてホームを見学され、「ここに母を住まわせたい、ゆっくりでいいので待ちます」そう言って1年余りの間に何度かホームを覗いてくださり、ご入所の日となりました。

<思いがけない事故>

Sさんが入居されてからひと月足らずで思いもよらない出来事に遭遇されました。
お誕生日の前日の出来事でした。ホームの廊下を曲がろうとされた時にいつも使用されている歩行器ごと転倒してしまわれました。そして右上腕の骨折と右恥坐骨骨折で入院されてしまいました。その翌日はとても楽しみにされていたクリスマス会。そしてSさんの誕生日でもあったのです。娘さんはとても悲しまれていました。ですが『必ず戻ります』と力強く話されました。Sさん自身もとてもショックを受けられていましたが持ち前の明るさで入院生活を乗り越えられ当初は3ヶ月と言われていた入院期間も1ヶ月余りで退院され希の丘に戻ってこられました。

<ただいま>

久しぶりの希の丘で初めは職員のことを「看護婦さん」と呼ばれていましたが近頃は「お姉ちゃん」と(おばさんですが…)呼んでくださり「大変やね、忙しいのにごめんね」といつも労ってくださいます。娘さんには時々「いつ退院するの?」と話され、「病院に入院していると思っているみたいです」と聞くこともありますが、ご自分のペースで過ごされいつも優しく声掛けをして下さいます。先日は関東に住む長女さんも来訪され、ホームでの大きな行事の第1回希の丘音楽祭に参加してくださいました。2人の娘さんはとても喜んでくださり、思いがけない半年前の入院からやっと戻ってこられた。と実感されていたようです。長女さんが関東に帰られる際Sさんは涙ぐんでおられました。「遠くに住んでますねん」と話されしばらく会えないと寂しくなられたようでした。いつもキリっとされているSさんの涙にホロっときた私でした。

<日帰り有馬の旅>

希の丘では7月半ばに有馬日帰り旅行に行ってきました。皆さんいつもと違う雰囲気で、車でのしばしの旅行気分を味わってくださったようです。有馬ではホテルランチを召し上がり、Sさんも久しぶりの次女さんとの時間を楽しまれていたようです。車窓からは外を観られ、「神戸はみどりが多くてきれいなぁ」と何度も話されていました。
これからも皆さんと笑って過ごす時間をたくさん作っていきたいと思います。
そして今年のクリスマス会には笑顔で参加していただき、2人の娘さんと共にお誕生日を迎えていただきたいです。

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