みどり訪問看護ステーションより「暮らしに笑顔を」

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みどり訪問看護ステーションでは「暮らしに笑顔を」を合言葉に、自宅で療養されている方だけでなく介護されているご家族の健康も維持し、笑顔で暮らすことができるよう日々業務に取りくんでいます。このページでは、地域で暮らすご高齢の方々や高齢者と同居されているご家族目線となり、医療や介護の情報、日常のちょっとした工夫を発信していきたいと思います。

自分の家で過ごすことはあたりまえのこと。あたりまえのことなのに、家族の誰かが病気や障害をもつようになると、とたんに暮らしにくくなってしまう。治らない病気や障害が残った場合、また加齢で日常生活が困難となったときなど、多くの方々は病院や施設と考えてしまいますが、このご時世、そうはいきません。病院は長期入院ができにくくなり、施設入所にはお金がかかります。自宅で不安をつのらせている方、病院や社会から見捨てられたと悲嘆している方もいるのではないでしょうか。

最近は医療や福祉の在宅サポートシステムが整ってきましたが、知らない方もまだまだおられるようです。どこに誰に相談すればいいのか、介護保険サービスを中心に活用できる資源や、少しでも楽にそして楽しく介護ができるような、暮らしの中のちょっとした工夫も今後ご紹介していきたいと思います。

80歳代、高齢と二人暮らしのAさん

80歳代、高齢と二人暮らしのAさん。ご主人が1年前から寝たきりとなり、Aさんが一人で介護をされていました。ご主人は認知症から大声を出すこともたびたびあり、介護に疲弊したAさんが近くの病院に相談電話をし、関連施設である当事業所で相談を受けたのが出会いのきっかけでした。初めて訪問した時は、ご主人は布団の中。布団の周囲には寝たままでも生活ができるよう、ティッシュやコップ、おむつ等が散乱し部屋は足の踏み場もないほどの状態。ご主人はこの1年間お風呂に入ることもできていませんでした。まずは介護保険の申請をしてベッドの利用、ヘルパーサービス、入浴サービスと思いましたが、病院に行くことができないご主人にはかかりつけ医がいません。そもそも介護保険の申請には主治医意見書といって、かかりつけ医(主治医)に書いてもらう書類が必要なのです。そこで関連病院に訪問診療を依頼し、主治医となってもらいました。

次にケアマネさんに介護保険の申請を依頼。介護ベッドをレンタルし、訪問看護、ヘルパー、訪問入浴サービスを導入しました。始めは疲れた表情で言葉も少なかったAさんですが、最近では訪問したスタッフと笑いながら会話をすることが増えました。

寝たきりのお父さんを介護するBさん

寝たきりのお父さんを介護するBさんは、介護保険でヘルパーサービスを利用していました。肺炎を繰り返した結果、お父さんはとうとう口から食べることができなくなり、胃ろう(おなかから胃に直接通した管)をつくり、胃に直接栄養剤を注入することになりました。フルタイムの仕事をしているBさんは、1日3回の栄養剤と水分の注入をすることができません。仕事を辞めるか、パートに変更して介護の時間を増やすか迷っていたところ、担当のケアマさんから訪問看護の利用をすすめられたそうです。今では平日昼の栄養剤と水分の注入を看護師が手助けし、Bさんもこれまで通り仕事を続けておられます。

高齢夫婦二人暮らしでご主人の介護をされているCさん

高齢夫婦二人暮らしでご主人の介護をされているCさん。ご主人は週2回デイサービスを利用し、その際に入浴されていました。皮膚疾患があるご主人は毎日スキンケアが必要でしたが、デイサービス以外の日は奥様が清拭をされていました。ヘルパーに依頼することができることもお話ししましたが、「大変だけどできることは自分でしたい。」というCさん。「バケツに熱いお湯を入れてタオルを絞って拭くんだけど、バケツが重くて大変なのよ」と聞き、簡単蒸しタオルの作り方をご紹介しました。(タオルを水で濡らして軽絞りしたあとビニール袋に入れて電子レンジでチン!)さっそく試されたCさん、「あれは楽やね!」と笑って感想を言ってくださいました。

暮らしに笑顔を

暮らしに笑顔を。私たちは自分の家で自分らしい暮らしが続けられること、そして介護する方も介護される方もみな、日常の何気ない暮らしに思わず笑顔がこぼれることを目指しています。
今月からどうぞよろしくお願い致します。