みどり病院2022年のテーマ「紡」  院長 室生 卓

新年のご挨拶
皆様、新年あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

今年の一文字は『紡(つむぐ)』
毎年、年の初めに書初めをすることにしております。この一年にかける思いを一文字に託しています。今年は『紡』という文字にしました。

『つむぐ』と読みます。もともとの意味は繭を錘(つむ)にかけて繊維を引き出し、縒(よ)りをかけて糸にすることを言います。一本一本の繊維はただ並んでいるだけではなく、ねじり合わされて糸になっていきます。

我々医療、介護の現場では多くの人が協力して仕事をしています。そして、どんな行為でも自分ひとりでできることはほとんどありません。素晴らしい外科医による手術でも助手となる医師が必要ですし、手術器具を渡すナースがいります。手術室を清潔に保つには清掃スタッフも不可欠です。術後の経過が順調に行くためには熟練した病棟ナースが必要ですし、着替えや清拭には助手も欠かせません。術後の経過を見るため検査技師やレントゲン技師による精度の高いデータや画像の提供が必要です。リハビリは今や術前から始まります。服薬に関しては薬剤師の指導が必要ですし、医療費や制度のことは医事課がプロとしてアドバイスします。安心して入院生活が送れるようにクラークがサポートしてくれます。誰一人欠けてもすばらしい手術はできません。また、それぞれのスタッフがばらばらに関わっていてもよい結果にはつながりません。大切なのはスタッフ同士の協力です。お互いの連絡はもちろんですが、情報の共有や意見の交換が重要です。

ひとりひとりのスタッフは一本の繊維かもしれないけれどもそれが縒り合って一本の糸になっていきます。束ねるだけでなく、縒り合ってねじり上げることで強い糸になります。また、一本一本の繊維が丈夫でしなやかでしっかりしたものならば縒りあげられた糸は強靭ものになります。一人ひとりの職員がプロとして技を磨くこと、知識をつけることで強い繊維となり、それらが捻じり合わされて強い糸になります。

プロとしての意識をもち、連携し、協力しあって、すばらしい医療、介護を紡いていきたいと思います。

 

倫生会みどり病院
院長 室生 卓