<今月の主人公!>
今月の主人公は平成28年10月にご主人と共に入居されたHさん(95歳女性)です。
Hさんは“癒しのHさん”とか“希の丘のアイドル”などと密かに人気者の入居者様です。
耳はかなりとおく、耳元で大きな声で話かけないといけなくて話す言葉が一部違う言葉になってしまうこともありずっこけてしまうことも多々あります。
吉本新喜劇ばりの会話になりますがとても楽しいひと時が過ごせます。
例えば「お昼です。お・ひ・る」というと、「え?お水?」、「朝ぶろです。あ・さ・ぶ・ろ」と言うと「え?まぐろ?」という具合です。
そんなやり取りを見て他の入居者さんは大爆笑され、フロアの雰囲気はとても和やかになります。
<長年連れ添って…>
Hさんはレビー小体型認知症です。
私たちには見えないものがHさんには見えていて何もない空間に手を伸ばして掴んだようなしぐさで口に運んだり、「火事だ」と言って怖がって逃げようとされたりしていて、私たちはその様子を見てその時に合った対応を行うようにしています。
Hさんは食べることが大好きで、カウンターに並べてあるおかずに手が伸びることも時々あります。
いつも未遂で終わっていてHさんは悔しそうですが(笑)スミマセン。
普段の食事の時は100歳のご主人とテーブルを囲んでおられますが好きなおかずはご主人の物まで手が伸びています。
ご主人は何も言わずに差し上げていて優しい笑顔で「ヤレヤレ」と見ておられます。
そんなお二人の様子を私たちは微笑ましく見させて頂いています。
長年連れ添ったご夫婦の絆の深さや愛情の深さを感じるひと時です。
<大切なお孫さん>
Hさんはよく職員に「早よ行こ」と手を伸ばされどこかへ行こうとされます。
時には“湊川”や“生田さん”へ「バスに乗って行こ」と言われます。
よく聞くと市場に寿司を買いに行こうとされていることもあり「おばあちゃんが払うから」とお孫さんとの買い物を思い出されているのかなぁ。と感じることがあります。
息子さんに聞いたことですが、以前同居されていたお孫さんが3年間海外留学をされていた時にお孫さんが心配で、ご夫婦で一緒に現地に行かれて2年間生活をされていたそうです。
息子さんに当時の写真を見せていただいたのですが、お二人ともキリッときまっていて嬉しそうにお孫さんと写真に写っておられました。
本当にお孫さんを大切にされていたようです。
職員に手を伸ばすしぐさはお孫さんを思い出されているのでしょうか?
時々お孫さんも面会に来られています。
嬉しそうな表情のHさんに出会える一コマです。
<希の丘あるある>
Hさんはよく眠られます。年齢や病気のせいかもしれないのですが、よく眠られます。
眠る場所はフロアの椅子です。
寂しがり屋さんなのか人の気配のするところがお好きなようで、ご自身の部屋で眠られる時間はフロアで眠られる時間より短いと思います。
希の丘ではよく写真を撮りますが、ポーズを取って写っておられる入居者さんの後ろには椅子に座って眠っておられるHさんの姿がよく写っています。
希の丘あるあるです。
眠りから目覚めた時は職員に向かって両手を出されます。
Hさんと両手をつないでホーム内を歩く職員の姿はこれもまた希の丘あるあるです。
<Hさんとのコミュニケーション>
Hさんはかなり耳が遠くてなかなかコミュニケーションを取りにくいのですが、Hさんの生活史や生活歴を知り、表情や行動を観察して、その時々に適した言葉を伝えられないことなどに配慮して、正直に思いを込めた言葉がけやHさんの世界に心を寄せ、寄り添ったコミュニケーションをしていくことが大切だと思います。
視線を合わせて笑顔で接して…基本のキが肝心です。
このブログには写真を2枚選んで載せさせて頂いていますがHさんの写真選考は悩みました。
とてもチャーミングな写真ばかりで・・・。