みどり病院の手術室看護師~ふたつの部署で活躍しています~

みどり病院は診療科に消化器外科・整形外科・心臓血管外科などの外科系があり、日帰り手術のCVポート埋め込みや、1泊2日の下肢静脈瘤手術、シャント造設、消化器手術、整形外科の骨接合術、心臓血管外科の開心術など、小手術から時間のかかる大きな手術など、さまざまな手術を行っています。
手術件数は年間で約230件程度です。
件数からも解るように、毎日手術があるわけではありません。
ですから、当院では手術室が1単位にはなっておらず、看護師は外来配属で外来と手術室との兼務です。
当院くらいの規模のところは他部署との兼務の所も多いのではないでしょうか?

兼務と聞くと、“あっちこっちと忙しそう”“覚えることがたくさんで大変そう”“両立できるかな?”など、いろいろ思いを巡らせてしまいます。
もちろん配属されたスタッフは大変なこともありますが、毎日あれこれと奮闘しています。
しかし、手術室スタッフとして確立されているところに比べ、兼務でも良いところもあります。
それは、術前・術中・術後を通して患者様が看られることです。

どの患者様でも病院に来たらまずは外来診察です。(当院では救急対応も外来看護師が対応しています)
外来では受診に至った経緯、既往歴、内服歴など病気に関することや、必要があれば家族構成、保険に関することなど患者様の背景についても問診でお聞きします。
そしてカルテに記載し診察へ。
もちろん診察の介助につくこともあります。
その時は、医師と患者様のやり取りを聞き、治療を進めていくうえで何か問題になることはないか?を考えます。
その中で治療に手術が必要な患者様もおられます。
予定にしろ緊急にしろ手術となれば大なり小なり不安はつきものです。
“どこ切るのかな?どのくらい?痛いのかな”“麻酔ってどんなもの?効くのかな?”“どのくらい入院するのかな?”etc。
入院・手術と言われただけで頭の中がいっぱいになってしまうことでしょう。
そこで手術室兼務の力を発揮するところです。
だって、実際に手術に携わっているのですから!!
患者様の不安に思っておられることにお答えできます。
手術前から患者様に関わり不安の軽減を図り、なおかつ患者様の情報をキャッチし顔見知りになるひとつのきっかけです。
ここでコミュニケーションをとっておく良いチャンスです。

そして、手術前日には術前訪問といい、患者様を訪問し翌日の手術について説明したり質問を聞いたり、現在の状態を確認したりして翌日の手術に備えています。
そしてここでも患者様とのコミュニケーションを深める良いチャンスです。
訪問時、いきなり初めて見る顔(ナース)より知っている顔(ナース)のほうが話もしやすいというものです。
実際手術室に入られるときは誰しも緊張しますよね。
その時、知った顔(ナース)がその場に居れば、多少なりとも緊張もほぐれるのでは?!
しかし、実際はマスクとキャップで顔は覆われ目しか出ていませんが。
そこは一瞬マスクを取れば・・・。
それに声も聞き覚えがあると一安心ですし。
なので、術前訪問したナースは入室時から積極的に声掛けをします。
そして、麻酔から覚醒するときもです。

手術後は病棟看護師にお任せしていますが、本当なら兼務の合間をみて術後訪問をして患者様の状態を観ながらお話をして、術中の評価をすることが今後の目標です。
そして、患者様が退院されたらまた外来に通院されます。
そこで術後のフォローを外来で行っていきます。
お互い顔見知りですから声もかけやすくなっています。
ちょっとした声掛けや少しの気配りで患者様の安らぎにつながれば幸いです。
そしてお元気な姿を外来でお見かけできることは、看護師として良かったと思える瞬間です。

大きな病院の手術室の看護師は、どうしても手術が中心になってしまいがちですが、当院のように小さい病院の手術室看護師には小さい病院ならではの大変なところもありますが、一人の患者様を外来から手術そして外来と通して看護できるという、大きい病院では経験できない看護ができます。
そこにやりがいを見出し、手術室兼外来看護師は日々奮闘しているのです。