~新たな骨密度検査の機械が導入されました!~
以前は腕の骨のみで検査を行っていたのですが、今回からは背骨(腰椎)と股関節 (大腿骨近位部)の2カ所の骨での測定となり、より制度が高くなりました!!
今回は、骨密度検査とは何なのか?骨粗鬆症とは何なのか?
そして、骨密度検査の測定結果の見方についてご紹介させていただきたいと思います。
~骨密度検査とは~
骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の診断や骨折のリスク判定をするのに行われる検査で、骨を構成するカルシウムなどのミネラル量を測定することで、骨の強さを測定することができます。
~骨粗鬆症(こつそしょうしょう)とは~
骨粗鬆症とは、長年の生活習慣などによって骨の中にあるカルシウムの量が減り、骨がスカスカになり折れやすくなっている状態、または骨折してしまった状態のことをいいます。
骨が弱くなるとポキッと折れてしまうだけではなく、骨が潰れてしまう“圧迫骨折”を引き起こす可能性も高くなるため、背中が曲がったり、縮んだりしてしまうのです。
~骨密度検査はなぜ必要なの??~
骨の強さを測定することができる「骨密度検査」ですが、この検査を行う目的は何なのでしょうか??
①骨粗鬆症かどうかの診断のための測定。
②定期的に測定を行うことで骨密度の変化を調べる。
③骨折のリスクを調べることで、リハビリなどの治療計画や生活習慣の見直しに役立てる。
などがあげられます。
~測定結果を見ていこう!!~
図1:患者さんにお渡しする骨密度測定結果用紙
~☆1:グラフを見てみよう!!~
図1の赤色の四角で囲った☆1について紹介させていただきたいと思います。
まず、図1の☆1におけるグラフは、左のグラフが背骨(腰椎)の結果、右のグラフが股関節(大腿骨近位部)の結果となります。
次に、図2はそれぞれ男性と女性の骨密度測定結果グラフとなります。
それぞれのグラフ内における、
・緑色あるいは黄緑色のところは正常範囲、
・黄色あるいは橙色のところは骨量減少をあらわす範囲、
・男女ともに赤色のところは骨粗鬆症の疑いが十分にあるため医師の診察をお勧めいたします。
また、図2は各年齢における平均値の範囲を青色の斜線で示しており、年齢を重ねるほど下がっていることがお分かりかと思います。
特に女性では、骨からカルシウムが溶け出すのを抑制する働きがあるエストロゲンという女性ホルモンの一種が閉経とともに急激に低下するため、急激に骨密度が低下してしまいます。
図2:男性・女性それぞれの骨密度測定結果グラフ
骨密度の測定結果が各年齢の平均値のエリアより上になることは良いことなのですが、図3のグラフのように平均値より上であっても黄色い「骨量減少」に当てはまる場合もあります。
この場合、現状維持に努めるとともに転倒の予防など身の回りの工夫をしなければなりません。
図3:年齢平均値より上だが”骨量減少”の患者さんのグラフ
それとは反対に、図4のグラフのように各年齢の平均値より下であっても緑色の正常範囲にあてはまる場合もあります。
この場合、骨密度は年齢とともに低下するため生活習慣を見直し、骨密度の維持に努めなければなりません。
図4:年齢平均値より下だが”正常範囲”の患者さんのグラフ
~☆2:それぞれの値を見てみよう!~
図5:骨密度測定結果の値
骨密度(BMD:Bone Mineral Density):(g/〖cm〗^2)
骨密度(BMD)とは、骨の強さを判定するための代表的な指標となるもので、骨の1〖cm〗^2(平方センチメートル)あたりに含まれるミネラルの量(g)を表したものとなります。
この値が大きいほど、骨が強いといえます。
若年成人比較(YAM:Young Adult Mean):(%)
もっとも骨量が多いとされる(健康的な)若年齢の骨密度の平均値を100%とし、この値と自分自身の骨密度が何%なのかを比較した値をいいます。
この値が80%以上なら正常、
70%~80%なら骨量減少、
70%以下なら骨粗鬆症の疑いといわれています。
同年齢比較:(%)
骨密度検査測定時の年齢において、同じ年齢の骨密度の平均値を100%として比較した値をいいます。
まとめ
今回は骨密度検査についてご紹介させていただきました。
高齢者の骨折しやすい場所として1位が背骨、2位が股関節といわれており、とくに股関節を折ってしまうと「寝たきり」になりやすいと言われています。
また、「寝たきり」によって身の回りのことを他人へ任せてしまうことから、認知症がはじまるきっかけになるとも言われています。
自分の骨の強さを知り、骨粗鬆症のリスクや変化を知る事で生活習慣の見直しや予防に努めることができます。
これからも元気に年を重ねられるように、今できることから始めてみましょう!
*広報誌「みどりの風」や、外来フロアに置いているチラシにも「骨密度検査」についてご紹介させていただいております。
どうぞご覧下さい。