概要
リスクマネジメントの重要性
- リスクマネジメントとは(意味)
- 高齢者の身体機能の低下について(心身の変化)
- 内因性と外因性
- 在宅利用者(高齢者)におけるリスクマネジメント
- リスク管理の進め方
- 事故発生時の対応(緊急時の観察ポイントと手順)
- ヒヤリハット
- 再発防止策
リスクマネジメントは、介護現場だけでなく他の職種であっても重要なポイントとなります。
在宅介護では、心身の状況が異なる高齢者を対象としています。
心身の状況や利用者を取り巻く環境が異なるためサービス提供を実施する前にリスクマネジメントを
実施することが重要となります。
1.「リスクマネジメント」の意味から考えてみました。
介護事故のリスクを把握し管理することで事故を未然に防ぐことを目的とした活動です。
リスクマネジメントに取り組むことで利用者の安全・安心を確保することができます。
リスクマネジメントに取り組むことにより介護する人を守ことにも繋がります。
2.高齢者の身体機能の低下について(心身の変化)
年齢を重ねる事で生じるリスクについて考えてみました。
1.身体機能など体の変化について。
2.年齢を重ねる事でおこる心の変化について。
どのような心の変化が出てくるのかを考えてみました。(個別・グループワーク)
内因性と外因性(高齢者の転倒の原因について)
内因性
- 認知障害により注意力が低下します。
- 視力機能障害により見えにくくなります。
- 感覚障害により足の裏など感覚に障害が生じます。
- 筋力低下により、太もも・お尻の筋力が低下、躓く事が多くなります。
- バランス能力の低下により歩行時にふらつきが生じます。
- ビタミンD欠乏などによりサルコペニアの影響で転倒します。
- 起立性低血圧により眩暈による転倒。
- 薬剤性による転倒。
加齢や疾病により筋肉量が減少することで握力や下肢筋力・体幹筋など全身の機能が低下します。
外因性
- 床の段差や敷物、電気コード、絨毯などに引っ掛かり転倒。
- 夜間の室内照明が暗くなり転倒。
- 靴下で滑る、ズボンの裾を踏むなどにより転倒。
内因性・外因性による転倒要因を取り除くことが重要です。
在宅利用者(高齢者)におけるリスクマネジメント
高齢者にどのようなリスクが発生しているのか。
馴染んでいるはずの自宅に潜むリスクとは
〇 安全のためにと行った住宅改修や福祉器具の導入→習熟できず使用方法を誤り事故に繋がることもある。
〇 訪問介護の場合は利用者とヘルパーという単独介護になるため目を離したすきに(死角)事故に繋がる
可能性があります。
3.緊急時の観察ポイント(基本)
声掛けに反応するか?→呼吸の状態はどうなるか?→顔色に変化はあるか?→バイタルサインはどうか?→外傷はないか?→出血はないか?→嘔吐吐き気は無いか?→悪寒・冷や汗・震えはないか?→痙攣はないか?→痺れはないか?
4.介護現場のヒヤリハット
ヒヤリハットとは重大な事故は起こらないものの事故に直結してもおかしくない事例のことをいいます。
予測可能な事故を考え事故が起こらないための工夫が必要です。
5.事故防止のためのリスク管理
ベッドの上げ下ろし時の確認と声掛けなど介護する者がリスクの検討をつけ、体の一部や衣類を巻き込む
危険性を取り除く等、ヒヤリハット及びリスク管理を事前に管理することで防ぐことができます。
事故再発防止策
- 事故を防止するには協議・検討・実践、ミーティング等による伝達・情報共有が重要です。
- 訪問介護(ヘルパー)は、家族から心身の状態などの報告を把握し介護計画に基づいたサービスを提供する。
介護事故の再発防止はサービス提供時のご本人の心身の状況・疾病など家族へ報告しご家族様にも注意していただくよう促すことも重要です。
私達(ヘルパー)は、事故に際してとった処置を記録し再発防止に努めます。
まとめ
この研修をとおし、介護職員全員が今までに経験したヒヤリ・ハットを発表しました。
その中で最も印象に残ったヒヤリハットについて検証。
(大きな事故に繋がらずなぜ未然に事故を防止することが出来たのか)
高齢者の心身の状況の変化を理解すると共に大きな事故に繋がらない介護を実施(提供)するには個々の利用者(高齢者)に関わるリスクマネジメントについてこの研修をとおし活発な意見交換をすることが出来ました。