今回は、「筋力トレーニング」についてのお話です。
とはいってもやり方については雑誌やテレビ、新聞などで様々紹介されています。
今回は違った視点から「筋トレ」について紹介させていただきたいと思います。
「健康寿命」「ロコモティブシンドローム」などの言葉を聞いた事があるでしょうか?
最近、多くのメディアでこれらのキーワードが使われているため、だいたいの内容を知っておられる方も多いと思います。
「健康寿命」これは「寿命」とは違い、健康で日常生活を送れる期間の事です。
厚生労働省2016年の調査では、男性の平均寿命は80.98歳なのに対し、健康寿命が72.14歳。
女性は平均寿命が87.14歳なのに対し、健康寿命が74.79歳というデータがあります。
このデータによると、男性で約9年、女性で約12年の間、何らかの身体的原因で日常生活が制限されることになります。
そして、日常生活が制限される(要支援・要介護状態になった)原因の1位は「骨折・転倒・関節疾患などの運動器の障害」です。
この筋力の衰えによる運動器の障害が「ロコモティブシンドローム」です。
これらの障害が起きる原因は、加齢に伴う筋力の低下です。
それを改善するには運動(筋トレ)をして筋力の低下を防ぎ、筋力の向上を図る必要があります。
しかし、「運動」→「筋トレ」→「きつい・しんどい」とのネガティブな声が多く聞かれ、なかなか実行に移せない方が多いように思います。
では、実際なにをすれば良いのかというお話をしていきたいと思います。
「ロコモ」を提唱している日本整形外科学会が推奨しているのは、毎日の生活に+10分多く体を動かす。ということです。
この他に、ラジオ体操やご当地体操をする。
ちなみに、当院のある神戸市には「こうべストレッチング」というご当地体操があります。
どうでしょう、思ったよりも簡単だと思いませんか?
ダンベル上げや腹筋にスクワットといった「きつい筋トレ」を必ずしもする必要はありません。
重要なのは、軽い負荷であっても継続して毎日体を動かす「続けられる筋トレ」です。
継続して体を動かす事で、筋力低下を予防することができ、年齢を重ねても健康で日常生活を送ることができます。
最近体力の低下を感じているという方も、「しんどいからじっとしている。」ではなく無理のない範囲で少しでも体を動かす事でさらなる体力の低下を予防できます。
さぁ、今日から一日+10分体を動かして、無理のない運動習慣を身につけましょう。
また、みどり病院リハビリテーション科では地域の方々へ向けたリハビリ健康教室を年2回開催しており、健康に関する様々な情報をお伝えしており、みなさんの自分でできるを応援しています。