高齢者の骨折を防ごう ~タオルとボールで足指・足関節を鍛える~

高齢になると歩いたり立ち上がったりするときに、ふらついたりすることはありませんか?
それはただ単に年を取り、足の力が弱くなったからでしょうか?
今回ご紹介する運動は、足の指・足関節の運動で、タオルやボールなど物品を使った運動をご紹介したいと思います。

最近立つときや歩くときに後方へふらつくことがある、ちょっと前に圧迫骨折をしたことがある、または尻もちを着いたことがある。という方は特にこの運動を行ってみてください。
今から紹介するのは、単に筋肉を太くするまたは力を強くする目的の運動ではありません。
歩く・立つなど動作に必要な足の指・足関節を円滑(なめらか)に動かしていく目的で行う運動をご紹介したいと思います。

まず始めに足指の運動ではタオルを使います。
リハビリでしたことがあるという方もいらっしゃると思います。
しかし運動をしっかりと理解して行っている人はどれ程いるでしょうか?
運動を行う際にどこを意識し、何に気をつけるかで効果が大きく変わってきます。
そのためこれから説明することを意識しながら運動を行ってみてください。

まずタオルを床に広げ、足指で手繰り寄せるといった運動です。下の写真のようにやってみましょう。

この運動をされている方でタオルが動かない、滑るなど苦戦している方を見かけます。
実際にやってみて皆さんはどこを意識していますか?
足指の曲げ伸ばしですか?
タオルを掴もうとしていませんか?
その意識ではせっかくの運動も効果が半減してしまいます。

ではここでタオルを手繰り寄せる為には、どういったことを意識すればよいでしょうか?
まず足の指でタオルを地面に押し付けるという動き(意識)が必要です。
足の指でタオルを地面に押し付けたまま、足の指を曲げてください。
これで少しはタオルが動きませんか?

この運動は、地面を掴むという動作に繋がり、歩く時の蹴りだし(歩行スピード)や、バランスを崩したときの一瞬の踏ん張りに直結しています。

次にこの運動をするときの姿勢です。
下の写真2つではどちらの方が力を入れやすいですか?

下の写真ですね。
下の写真のほうが、足に体重が乗り、踏ん張る力が入りやすくなっています。
せっかく運動をしていますので、少しでも効果が出る姿勢・やり方を心がけて見てください。

次に足関節(足首)の運動です。
足首はつま先を上げる・下げる、足裏を内外に向けるという4方向の運動方向があります。
4方向の運動に対応するため、ボールを使用し、足裏で転がすという運動をご紹介します。
下の写真をご覧ください。

足裏でボールを前後に転がし、足首の運動を行っています。
前後に動かすことで、足首の上げ下げ、ボールなど球体を使用することで、足裏の内外の運動となります。

この運動の際も、姿勢に気をつけましょう。
立って行うときは転倒しないよう手すりを持ち、背中を真っすぐにしでボールを転がします。
座って行うときは、背もたれにもたれないようにし、ボールを転がしてください。
立って行う方が足首に体重が乗り、より効果的ではあります。
しかし転倒などの危険が伴うため、立って運動を行う自信がない方は、座って運動をしましょう。

今回紹介しているのは野球ボールで行っていますが、サッカーボール、テニスボールでも代用が出来ます。
ゴムボールなどでは柔らかすぎる為、少し硬めのボールを選択してください。

今回は足指・足関節(足首)の物品を使った運動をご紹介しました。
自重トレーニングを行っている方は、普段とは違う運動に取り組んでみてはいかがでしょうか。
運動の仕方など分からない事があれば、みどり病院リハビリテーション科へ気軽にお尋ねください。
当院では「自分でできる」をコンセプトに微力ではありますが、支援しますので一緒に頑張りましょう。