みどり病院に看護助手として入職して4年目になります。
初めは、いろいろな業務をこなすことで精一杯で患者様に寄り添う余裕もありませんでした。
それでも、日々の業務に携わっていく中で、看護師さんや看護助手の先輩方が、患者さんに接する細やかな話し方を聞いたり、オムツの当て方などの日常生活の介助をしているところを見たりして、私も同じように患者さんに接するようになりたいと考えるようになりました。
そんな中、患者さんから
「あんたの話し方を聞いてたら和むわぁ。」
「いつもありがとうね。」
「細かいことに気づいてくれてありがとう。」
と言っていただけるようになりました。
私は、幼少の頃から話し方がゆっくりでコンプレックスに思っていましたが、人それぞれの多様な個性は自分では欠点に思っていても、他の誰かのためになる、癒しになるということを教えてもらえて嬉しかったです。
私自身の長所や、患者さんの身体のこと、病気のこと、介護のこと、いろいろなことを患者さんは毎日教えてくれます。
たとえば、認知症の患者さんから学ぶことがあります。
認知症の患者さんに接する時には、否定するばかりでは不安にさせてしまうし、肯定してばかりでは危険にさらしてしまいます。
興奮や混乱している時の会話のやりとりの中で、昔の話を聞いてそこから気を逸らせて安全に誘導したり、患者さんが今何をしてほしいのか探りながら対応しています。
また、時と場合によって優先順位を考えて業務をしていかなければいけません。
同じ患者さんでも同じ行動をとるとは限らないし、何年経験を積んでいても難しく感じます。
院内の勉強会などで最新の知識を得たり、医師や看護師、看護助手の先輩方に聞いたりして、日々自分の仕事を改善するよう努めています。
私たち病院職員の仕事は命を助けるやりがいのある仕事だと思いますが、日々の仕事の中で大変なこと、気持ちが落ち込むこと、つらいこともあり、医療従事者として仕事を続けていけなくなりそうになる時もあります。
そんな時に、患者さんにかけてもらえた言葉や表情を思い出すと、「また頑張ろう。」と救われます。
新型コロナウイルスの危機で、多くの病院職員が自分たちの身の危険を感じ、また家族の安全も考え、ときには退職される方もいると聞きます。
新型コロナウイルスでも他の病気でも、自分たちが毎日病院で患者さんの前に行こうと思える、踏みとどまって頑張れるのは患者さんが私たちの心を支えてくれているからだと思います。
新型コロナウイルス危機の中、日本中の誰もが大変な時ですが、病院の内外を越えて、みんなで力を合わせて乗り越えていきましょう。