みどり病院の透析室に配属され、4か月が経ちました。みどり病院に入職するまでは急性期病院の病棟に3年間勤めてきましたが、入退院も多い中でなかなか患者様とゆっくり話す時間がとれず、患者様の思いをくみ取りきれないことに、葛藤を抱くこともありました。その中で、患者様により近い距離で長く関係を築ける透析室に魅力を感じ、自ら希望して配属していただきました。
前職では、病気を「治す」ためのサポートをしてきましたが、透析を受ける患者様にとって重要なことは、透析と「うまく付き合っていく」ことであり、その日々をマラソンに例えると、医療者は”伴走者のような存在”だと感じています。求められる役割がこれまでと異なると感じる中で、患者様に安心してもらえるような看護が提供できるようになるのか、当初は少し不安もありました。
しかし、先輩スタッフに一つひとつ丁寧に教えていただいており、安心して少しずつ仕事を覚えることができています。最近では、患者様とコミュニケーションをとることもできるようになり、透析をしながらの日々がいかに大変かということを教えていただくようになりました。例えば、「透析するとだるくなって、その日は一日しんどい。」という言葉を何人かの患者様から聞き、そのしんどさが少しでも軽減できるようなサポートを行えるようになることが今の私の課題だと感じています。
その中で経験した、ある患者様(以下、Aさん)との関わりを紹介します。Aさんは、自宅での水分管理が難しく体重の増加が多いため、透析の後半に血圧が下がりしんどい思いをされることが多い方です。水分摂取を控えるよう声かけをしても、その管理は難しいようでした。そこで、Aさんに水分管理で困っていることがないか詳しく話を伺うと、体重の増加の目安が分かりにくい、とのことでした。そこで、Aさんが達成できるような体重の目標値を検討し、口頭とメモで伝えました。すると、次回の透析日だけでしたが、Aさんは目標を守ることができ、「具体的な目標の数字があると分かりやすかった。」とも言っていただきました。
患者様との日々のコミュニケーションの中で、患者様がどのようなことに困っているのかを把握し、その内容に合わせて関わりを工夫することが大切であると実感したとともに、これからは長期的なサポートの方法についても学んでいきたいと思うようになりました。
みどり病院の透析室は、「家族のようなつながりを」を合言葉としていますが、先輩スタッフは、日々の患者様との会話の中でも、「レタスは食べてもいいけど、細かくちぎって水にさらしてから食べてね。」「カレーとか、味の濃いものはほどほどにね。」などと声かけしていたり、水分の管理が難しい患者様に対しては、家族様ともコミュニケーションをとって、患者様へのよりよいサポートを検討されており、そのような関わりをみて、透析に関する知識や、一人ひとりの患者様に合わせた関わりなど、沢山のことを学ばせてもらっています。
私も、いつか患者様に信頼して頂けるような存在となれるよう、確かな技術をもって、日々患者様に誠実に向き合っていきたいと思います。