~はじめに~
IQは馴染みの深い言葉でご存知の通りIQ(Intelligence Quotient)は知能指数ですが、今回、文字は似ていますがEQという言葉の意味について興味を持ったので少しお話ししたいと思います。
~EQって?~
EQ(Emotional intelligence Quotient)は、感情の知能指数や、心の知能指数のことです。感情をコントロールし上手く利用する能力といわれています。私達の行動は多くは感情によって引き起こされているという事が、いろいろな分野の専門家や研究者によって定義されています。
私が、EQという言葉を知ったきっかけは、コロナ禍で今までの生活が一変したこと、人と人との関係性が薄くなってしまったこと、仕事面においても、変化を求められてきていたことなど、生活全般が何となく息苦しさを感じている状況だったことです。
そんな時、以前から購読していたある雑誌のWEB版でモチベーションをあげる方法など探していたところ偶然「看護師は感情労働〜〜」という文字が目に入り、そこでEQのことが書かれていました。
感情を少しコントロールすることで、人間関係が上手くいき、組織としても生産性が高まる、生活や健康面にも良い影響をもたらすということでした。ビジネス界ではすでに注目されているようで、入社後の研修に使われることもあるそうです。
例えば、IQの高い人が人生において必ずしも成功するとは限らない、ビジネスにおいても優秀なチームを結成したが成果が上がらないのに、人間関係が良好でコミュニケーション能力の高い人達のチームの方が良い結果を残すことが実際に起こるといいます。
今回、少し詳しく知りたいと『心の知能指数』という本を読んでみました。心理学者や研究者がいろいろな事例とともに検証し、いかに感情が人間の行動と密接に関係しているかなど書かれています。
感情をコントロールするということは友達でも、家族でも、社会生活においても大切ですが、誰でも気持ちを上手く扱えずイライラしたり突発的に相手を傷つけるような言葉で攻撃的になってしまったり、言葉ではなくても、態度で協調性を乱したりすることがあると思います。
私自身も看護師として患者様により良いサービスを提供する事を心がけていますが、心が不安定な時はこの対応で良かったのか、今の言動で不快な思いをさせてしまったのでは?と反省する事があります。EQの高い人とは自分の感情に意識的に向き合って、なぜそう思ったのか、次の行動はどうしたらよいかを考えることができる・相手の考えや感情も敏感に読みとり自分と違う考えでも否定せず共感できる・困難な状況でも行動を制御でき、前向きな気持ちで肯定的に対処することができるといいます。
IQは高めることが難しいとされていますが、EQは繰り返し意識することで高めることができるそうです。
具体的に何をすれば高まるという確立されたものはないようですが、自分の感情と向き合いその時思った事を紙に書いてみる・5分でも誰かに話しを聞いてもらう・息をフーと吐く・行動パターンを変えてみるなど調べてみるといろいろあります。自分なりに少しずつでも気持ちを整えていく練習をすることでこのEQは高めることができるといいます。
日本人は、相手の気持ちを推し測ること、言わなくても分かるだろうという空気感で行動することがあります。わざわざ、学習しなくても初めから身についていると思う人もいると思います。
ただ、このコロナ禍を経験して、互いの気持ちや思いを認識し共感できる関係、相手の立場で物事を考える習慣、自分の気持ちと向き合い、状況に応じて対処することが大切だと思いました。
メンタル的にもしんどいことが多い社会ですが、時には、今の自分の気持ちはどうなんだろう?ストレスは?ポジティブに考えることができている?と問いかけてみること、また相手に対しても一言、どう?調子は?と相互に関係性を良好に保つ努力をしていくことはあらためて大事なことなんだと思います。
訪問看護においても、患者様やご家族との信頼関係を築くことは難しいですがとても大切です。また在宅療養をできるだけ長く、安心し笑顔で過ごしていただくために患者様を中心とした多職種との良好な連携をつくるためにもこのEQを高める事は重要だと思いました。これをよい機会とし、EQを高められるように意識して生活していこうと思っています。