私が、患者さまに最善の看護を続けるために一番気をつけていることは「自分を大切にして心身を良い状態に保つ」ことです。
看護大学を卒業後、民間病院へ就職しました。独身時代は仕事が終わると同僚と食事に行き、次の月のシフトが出ると旅行の計画を立てるなど、子育てや家事などで時間に縛られることのない自由な生活を送っていました。好きなものを食べ、欲しい物を買い、大好きな旅行へ行く、とても充実した社会人生活を送っていたと思います。
結婚して子どもができても看護師として働き続けたいと漠然と思っていました。しかし、結婚、出産とライフステージの変化に伴い、少しずつ自分の「こころの安定」を保つことが難しくなりました。その理由は私の中にある母親モデルでした。私の母は専業主婦だったため、毎日3食作り、夜9時には子どもを寝かしつけ、休日は家族で過ごすことが当たり前でした。
しかし、現実はそう上手くはいきません。朝、こどもが食べたいと言った物を作ると、「やっぱり違うのが食べたい」と言い、保育園へ行く準備ができ、さぁ出発となると「トイレに行きたい」と子どもは言うのです。日々、何も完遂できない子育てに苛立ち、仕事では、保育園の迎えの時間に追われ、焦りから冷静な判断が出来ずにミスが増えるといった負のループに陥ってしまい、次第に働く気力を失っていきました。
そして私が選んだ道が、思い切って働く病院を変えることでした。学校を卒業してから働き続けた病院に恩もあり、辞めることを決断するまでには時間を要しましたが、今後のライフプランを考えると、今の時期に転職することがベストだと考えました。
今までは片道1時間弱かけて通勤していましたが、現在は家から徒歩圏内の範囲です。時間に余裕を持つことで、心に余裕ができ、子どもに向き合う時間が増えたことで、少しずつ「こころの安定」が戻ってきました。
子育てをしていると、ついつい自分のことは後回しになりがちですが、「自分を大切にすること」を意識するようになってからは、「こころの安定」が崩れる前に誰かに助けを求めることが出来、一度は見失いかけた看護の楽しさを日々実感しながら、毎日楽しく働くことができています。
みどり病院では、子育てを経験したママさんナースや、現役世代のママさんナースも多く在籍しており、悩みを共有できたり、アドバイスを頂けたり、子どもの体調不良で休まなければならない日でも、「お互いさま」精神で理解が得られ、子育てをしながらでもとても働きやすい職場です。そんな職場で、これからも笑顔で患者さまに求められる看護師を目指して働き続けていきたいです。