こんにちは。私は訪問看護師として働いています。
私の母は昭和5年生まれの93歳です。現在の平均寿命を大幅に超え、物忘れも激しくなっております。最近は、デイサービス、ショートステイを利用しながら過ごしております。娘3人、孫7人、ひ孫11人なのですが、すぐに忘れてしまい、毎回ひ孫の人数に新鮮にびっくりしております。
母は、40歳の時バイクで交通事故に遭いひざを負傷し、以降何度か手術を受け12年前に両膝の人工関節置換術を受けています。60~70代まではグランドゴルフ、踊り、旅行など充実した日々を送っておりました。病弱な父を見送ってから、水頭症によるシャント増設術も受けています。
同じ敷地内に娘が家を建て暮らしておりデイサービスを利用しながら、優雅な一人暮らしを満喫していました。徐々に体型も丸くなり、加齢により運動量も減り、昼まで寝ているときもあったようです。両膝の術後であり、椅子、ベッドでの生活をしています。しかし目を離すとしばしば床に座り込んでしまい全介助で立ち上がりを介助する状況でした。
入浴中に立ち上がれず、敷地内の姉(次女)の介助が必要だったことも何度もありました。昨年姉(長女)の家に一時的に生活をすることになりまして、同時期に姉がヨガ教室に通い始めました。私(三女)も姉のヨガの復習ということで、姉の家でなんちゃってヨガ教室を受けることになりました。
はじめ母は、ソファーに座り、うとうとといねむりをしながら見ていました。母にもできる簡単な体操も取り入れるようにしたところ、「しんどい」など文句を言っていましたが、母のヨガマットも購入し、毎週水曜日午後は3人で体操をしています。
昔グランドゴルフなどしていたせいでしょうか、負けず嫌いのようで、なんだか一生懸命に参加するようになっていました。難聴もあり、聞こえない分仲間外れ感がある様子ですが、鬼娘たちは、なるべく大きな声で声掛けをしてワイワイ楽しく厳しく行っています。
ヨガマットに寝ころんだら最後は立ち上がらないといけません、最初のころは、横になり、次に四つ這い、ソファーにしがみつきながら、ズボンの腰のあたりを支えどうにか、立ち上がることが出来ていました。これだけでもすごいと3人で喜んでいました。
このころからでしょうか、ヨガ紐を使っての下肢の挙上運動や、全身のストレッチなど積極的に行い、下肢挙上も以前と比べ上がるようになっており、以前からの右肩の痛みも言わなくなりました。母は、「こない元気になったら、長生きするで」と言っています。
3人でなんちゃってヨガ教室を始めて6ヶ月になります。ある時、床から一人で四つ這いになり、立ち上がることが出来ました。見ていた娘たちも喜びましたが、本人が一番うれしかったようで「立てた」と喜んでいました。母には「棺桶に入るまでリハビリやで」と、鬼娘たちは声掛けをしています。
床に寝ころんでの体操は在宅ではなかなか難しい状況だと思います。今回ヨガマットを使用することで、体幹のバランス訓練ができ、腹筋も鍛えられ、いままで出来なかった体の使い方ができるようになったと思います。「年がいってるから」、「今までしていないから」など諦めないで、少しずつでもできることを見つけてあげたいと思っています。
現在新築の家に孫と同居をしています。毎日姉(長女)が訪問し、食事、薬、デイサービス(週2回)の送り出し&お迎えなど、細やかな介護を受けています。
体操も継続しており、月一回ずつ習字、ペン字の習い事(娘が先生役)も始めました。習字に関しては、以前デイサービスで習字の時間があったようで、上手に書けたら、貼り出してもらえたことがとても嬉しかったようす。ひ孫や孫の名前を書く事や、絵葉書に言葉を書き、額に入れ、玄関に飾るなど行っています。30分ほど集中できることが驚きです。
現在の母は声掛けをしないと半日寝ていたり、食事をしたことを忘れ何度も食事をすることもあり、体重増加もあり、ヨガマットの体操を嫌がるようにはなってきました。しかし一人の時に床に座り込んでしまった時、自分で立ち上がれるようにと体操を継続しています。
立ち上がり時、母は「もう嫌や何でこんなことせんとあかんのん」と半泣き状態になる事もありますが、鬼娘たちはじっと見守り声掛けをしています。人生100年と言われています。少しでも母に元気で長生きをしてもらいたいと思っています。鬼と呼ばれようが今後も体操、習字など続けていきます。
ちょっと反省〜家族だからこその葛藤〜
仕事では利用者様の状況に応じ何度も同じ話を聞く事が出来ますが、実母となるとイライラする事も多く、大声で否定する事もあり毎回反省です。
高齢者におすすめの健康づくり〜訪問看護と家族介護の経験から〜
私は訪問看護をさせていただいている中で、利用者様に毎日を少しでも明るく活動的に生活していただくためにテレビ体操を勧めています。転倒予防にもなり、規則正しい生活も送れるために、訪問時間に合えば一緒に行います。結構ハードな運動ですよ。