私たち2階病棟スタッフは「手をつなごう」を合言葉に患者様・ご家族様の気持ちに寄り添いながら、患者様が安心して治療に専念できる環境づくりに努めています。
多くの皆様が、幼かった頃かぜをひいたり、お腹が痛かったりした時、お母さんにおでこに手を当ててもらったり、痛いところや苦しいところをさすってもらって、体は辛いはずなのに、なぜかホンワカと暖かくうれしい気持ちになったことがあると思います。
また、お母さんの作ってくれたおにぎりはどうしておいしいのでしょうか。いまどきは「おにぎらず」というものが流行っているようですが、ご存知でしょうか?ご飯版サンドイッチとでもいうのでしょうか。それはそれでおいしいのかもしれませんが、やはりお母さんの手がにぎったおにぎりにはかないません。
病気になり、病院で検査や処置などで不安や恐怖・痛みなど緊張を強いられたことのある方もいらっしゃることでしょう。きっと皆様の手は冷たくなっていたことと思います。そんな時暖かな手が差し伸べられたら、少しは気持ちが楽になるのではないでしょうか。
看護学生は、患者様が辛い時、患者様の手をとりなさい、と教えられます。私も患者の立場の時がありましたが、看護師さんにそっと手を握ってもらった体験があります。どちらかというと小さく華奢な手でしたが、とても暖かで頼もしく、心強かったのを覚えています。
手を介して心が伝わる、手にはそんな力があるのかもしれません。
私たちも日常で、患者様が不安で一杯の時はベッドサイドに伺い、患者様の背中や手などさすりながらお話を聞いたり、苦しい時を乗り越え元気に廊下を歩けるようになったのを見かけた時など、患者様と手をとり合って喜んだりしています。
「看護師さん、手が暖かいわねー。」何気なく患者様の手をとった時に、患者様からよくこう言われます。そんな時はしばらく手を握って、患者様の冷たくなった手を温めることもあります。お互いが笑顔になれる瞬間です。
医療スタッフ同志も患者様を中心に、治療方針や看護方針など日々確認しあうことで手をつないでいます。
私たちは、患者様を中心にご家族・医師・看護師・コメディカル・事務職員・・・患者様に関わるすべての人が手をつなぐことで、大きな力が生まれると信じています。つらい時もうれしい時もともに手をつなぎ、こころをつないでいきたいと思います。
これから私たちのしていること、みんながひとつになることの意義など、ぬくもりのある風景をお届けしていきたいと思います。