秋の虫除けにアロマを活用してみませんか?〜心身も癒す、虫も避ける、一石二鳥の良い香り〜

総務課

秋になってもまだまだ暑い毎日。
じめじめした連日の蒸し暑さに、疲弊し心と体の調子を崩してしまいそうになります。

そんな高温多湿なこの季節には、ゴキブリやコバエ、蚊など、歓迎していないのにたくさんの虫たちと出会う機会が増えてきます。耳元でブーンという不快な羽音が気になって寝付けなかったり、キッチンでは気をつけていてもコバエがせわしなく飛び回ったり、気づけば近くにいます。バーベキューやピクニック、キャンプで海や山・川、公園などへお出かけする機会も増えるので、虫除け対策に悩まれる方も多いのではないでしょうか。

総務課では以前、睡眠におすすめのアロマをご紹介させていただきました。
「病院職員により良い睡眠を〜私のおすすめ、アロマテラピーをご紹介します〜」
https://midori-hp.or.jp/general-affairs-blog/web20240410/

院内職員の皆様からの反響もあり、他部署のスタッフからアロマについて聞いてくださる事がとても嬉しかったです。「アロマに興味はあったけれど、どう楽しんでいいかわからなかったの」というお声もありました。生活の中に香りがある事は、癒しと安らぎ・幸福感を与えてくれます。

そんなアロマテラピーは、気持ちや心に働きかけてくれるだけではなく、日常生活の中でも大いに役に立ちます。その使用例として、今回はアロマテラピーで出来る虫よけ対策をご紹介します。一見、虫よけとアロマテラピーにはあまり関連を感じないように思われるかもしれませんが、実はとても関係が深いものです。

ハーブやアロマ精油に使用される芳香植物には強い香りがあり、その中で植物自身が昆虫や鳥などから食べられないように匂いを作って自己防衛しているものがあります。そんな芳香植物の香りを使っていく方法になります。

様々な市販の虫除け剤(忌避剤)があるから、そんな必要ないよという方もいらっしゃるかもしれません。

市販の虫除け剤の中には『ディート』と呼ばれる成分が含まれている事があります。
毒性は低いとされているものの、厚生労働省で、まれに人体への影響があるとされることから小児(12歳未満)への使用回数などいくつかの制限を課しています。
※参考:厚生労働省「ディートを含有する医薬品及び医薬部外品に関する安全対策について」
https://www.mhlw.go.jp/topics/2005/08/tp0824-1.html

アロマテラピーで使用する精油は、天然成分100%なので、ディートは含まれません。香りも自然で優しい忌避効果のある精油をまずはいくつかご紹介したいと思います。

【シトロネラ】

「シトラール」という虫の嫌いな香り成分が70%以上含まれるため、東南アジアでは古くから蚊帳に編み込まれたり、ロウソクに成分を取り込んで蚊よけとして活用されています。シトロネラには制汗・デオドラント作用があると言われています。

蚊は汗に反応して寄ってくるため、この作用で蚊にも気付かれにくいという嬉しい効果が期待できます。心にはネガティブな気持ちを明るい気持ちへ導く手助けをしてくれると言われています。
(こんな虫に:蚊・コバエ・ゴキブリ・ダニ)

【レモングラス】

タイ料理がお好きな方は『あ!トムヤムクンに入っているあのハーブ!』と香りのイメージをしていただけるのではないでしょうか。レモングラスの葉はレモンに似た香りと爽やかな味でアジア料理やハーブティーでもよく使われています。オリエンタルな印象の香りはリゾート地に来たような優雅で落ち着いた気持ちになるので、癒しを求める方にもおすすめです。
(こんな虫に:蚊・コバエ・ゴキブリ)

【ペパーミント】

歯磨き粉やリップなどにも利用されていて馴染みのある香りです。成分は「メントール」が含まれており、虫の苦手な成分とされています。清涼感のある爽快なミントの香りは暑い時期には涼しさを感じ、気持ちをすっきりリフレッシュしてくれるだけでなく、鼻づまりを解消してくれたり、消臭効果など様々な場面で役にたちます。
(こんな虫に:蚊・ダニ・アリ・ゴキブリ・カメムシ)

【ゼラニウム】

ゼラニウムには「シトロネラール」が多く含まれており、虫除けとして効果を発揮してくれます。「モスキートプラント」と呼ばれ、ヨーロッパではベランダや窓辺を飾る花として利用されています。お花の見た目も可愛く、人間にとってはよい香りを楽しむ事ができ、さらに虫除けできるという嬉しい事ばかり。
華やかなローズのような香りで、化粧品やヘアケア香料として使われ女性に人気の香りのひとつです。心身のバランスを整える働きがあり、不安感やストレスを和らげる効果が期待されると言われています。
(こんな虫に:蚊・コバエ)

【方法】

キッチンや網戸・玄関・カーテンなど発生しやすい場所や侵入口に拡散させましょう。
◆アロマディフューザー(芳香器)を使用する
◆コットンやタオルに精油を数滴染み込ませる。
◆アロマスプレーを作る。
前回の睡眠アロマの時にもご紹介しましたアロマスプレーを上記の精油を使って作ります。スプレーボトルに無水エタノール10ml・精油10~15滴・精製水40mlを混ぜて完成です。

手や足・衣類や帽子などにスプレーします。空中に向かって空間にスプレーをして香りを拡散させるのもおすすめです。

≪注意点≫

スプレーする前に容器をよく振ってください。
防腐剤が含まれていませんので、2週間を目安に早めに使い切ってください。
直射日光の当たらない涼しい場所で保管してください。
肌に合わない場合は使用を中止してください。

◆保冷剤(高吸水性ポリマー)を使って、虫よけ芳香剤を作る。

ケーキなどを購入した際についてくる、保冷剤。いつの間にか冷凍庫にたくさん余ってきていませんか。その保冷剤を使って、芳香剤を作ることができます。保冷剤の材料は高吸水性ポリマーで消臭効果があると言われています。表面が凹凸しているため、ニオイの原因となる物質を吸着する働きがあるためです。
作り方はとっても簡単です。

ジャムなどの空き瓶に、常温でジェル状になった保冷剤の中身を50gほどいれます。その中に、精油(5~10滴)を加え、竹串などで混ぜ合わせると完成です。

しばらく使用すると保冷剤の水分が蒸発してくるので水を少し足してください。香りも弱くなってきたら、精油を足せば再び香りが楽しめます。透明なジェルなので、ドライフラワーや貝殻・ビーズなどを入れたり、ジェルに色をつけたり、瓶にリボンや麻ひもを巻いて飾りつけをしたり、お好きにアレンジすることも楽しいですよ。

今回ご紹介しましたアロマテラピーでの虫除けは、あくまで虫を除ける方法で殺虫効果はありません。虫にも人間にとっても優しい環境の中で、香りある快適な暮らしができる事をご提案していきたいです。香りの感じ方は個人差があるので、自分の好きな香りを見つけて虫除けしてみるのはいかがでしょうか。
みどり病院職員でアロマの香りを試してみたい方は、お気軽に総務課まで訪ねてきてくださいね。