帯状疱疹ワクチン定期接種をご存知ですか?〜令和7年度から始まっています〜

薬剤科

帯状疱疹がワクチンで予防できることはご存じですか?
令和7年度から帯状疱疹ワクチンの定期接種が開始になり、対象者は自治体から助成が受けられるようになりました。
しかし、自分が接種したほうがいいのか分からず、迷っている方も多いのではないでしょうか。帯状疱疹や帯状疱疹ワクチンについて、私も改めて詳しく知りたいと思い、調べてみました。

■帯状疱疹とは ~3人に1人がかかる身近な疾患~

帯状疱疹は水痘・帯状疱疹ウイルスにより、体の片側に痛みと帯状の赤い発疹が現れる病気です。過去に水痘(水ぼうそう)に罹患したことがある人が、加齢や疲労、ストレスなどにより免疫機能が低下すると、知覚神経に潜伏感染していたウイルスが再び活性化して発症します。発症率は50歳代から高くなり、80歳までに約3人に1人が発症するといわれています。
皮膚症状が治った後も痛みが残ることがあり、これを帯状疱疹後神経痛といい、50歳以上の人が発症しやすくなっています。

■帯状疱疹の治療 ~早期開始が大切~

ウイルスの活性を抑える薬を中心とし、疼痛に対する治療を併用します。

  • 抗ヘルペスウイルス薬
    水痘・帯状疱疹ウイルスはヘルペスウイルスの一種であり、抗ヘルペスウイルス薬のアシクロビル、バラシクロビルなどが使用されます。帯状疱疹後神経痛などの合併症を予防するため、投与はできるだけ早く開始します。
  • 急性期の疼痛治療
    アセトアミノフェン(カロナール®)やロキソプロフェンなどの鎮痛薬、ステロイドの内服、神経ブロックが用いられます。
  • 帯状疱疹後神経痛の治療
    プレガバリン、ミロガバリン(タリージェ®)、抗うつ剤(デュロキセチン)、三環系抗うつ薬、麻薬性鎮痛薬など、内服薬による治療が中心になります。

■帯状疱疹はうつる? ~帯状疱疹としてうつることはないですが…~

帯状疱疹の患者さんの皮膚の発疹部分には、水痘・帯状疱疹ウイルスが含まれており、水痘にかかったことがない人に感染して水痘を発症することがあります。乳幼児や子どもなどに感染しないよう、発疹が治るまでは接触を避けてください。

■帯状疱疹を予防するには? ~高齢者にはワクチン接種が推奨されています~

帯状疱疹ワクチンには、生ワクチン(乾燥弱毒性水痘ワクチン)と組換えワクチン(シングリックス®)の2種類があり、帯状疱疹の発症やその合併症に対する予防効果が認められています。各ワクチンは、摂取回数や効果、副反応などの特徴が異なっています(表1)。

表1 生ワクチンと組換えワクチンの比較

■定期接種の対象者 ~接種の機会は1度だけ~

帯状疱疹ワクチンの定期接種対象者は以下の方になります。

①年度内に65歳を迎える方
②年度内に70、75、80、85、90、95、100歳になる方(経過措置として、令和7年度から5年間のみ)
③100歳以上の方(令和7年度のみ)
④60~64歳で、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)により免疫の機能に障害があり、日常生活がほとんど不可能な方

接種費用の助成が受けられるのは対象となる1年間だけなので、機会を逃さないように注意しましょう。
なお、助成を受けられる条件や接種費用などは自治体により異なります。50~59歳の方を対象に費用を助成する自治体もあるので、お住いの自治体や医療機関に確認してください。

■おわりに

帯状疱疹は決して珍しい病気ではなく、誰にでも起こりうる身近な疾患です。発症すると強い痛みや後遺症に悩まされることがあるため、ワクチン接種の意義は大きいと思いました。接種するかどうか迷っている場合はかかりつけ医に相談し、ワクチン接種の適切な機会を逃さないようにしましょう。

参考資料

  • 帯状疱疹.jp
  • 厚生労働省HP 帯状疱疹ワクチン
  • 帯状疱疹予防.jp
  • 病気がみえるvol.6 免疫・膠原病・感染症