みなさんは「作業療法」という言葉をお聞きになった事がありますか?
作業療法は、その人が生き生きとした生活を送れるよう、仕事、遊び、日常的な生活行為など、様々な「作業」をとおして、【こころ】と【からだ】を元気にするリハビリテーションです。
日本作業療法士協会の定義では、『身体または精神に障害のある者、またはそれが予測される者に対し、その主体的な生活の獲得を図るため、諸機能の回復、維持および開発を促す「作業活動」用いて、治療、指導および援助をおこなうこと』とされています。
作業活動とは、日常的な生活行為(食事・整容・排泄・更衣・入浴などの身の回りの動作)、家事、仕事、余暇、地域活動など、人の日常生活に関わる全ての諸活動を「作業活動」と呼んでいます。
作業療法の対象は、脳卒中や神経難病・リウマチ・骨折など体に障害のある人、うつ病や統合失調症など心に障害のある人、脳性麻痺や自閉症など発達期に障害のある子ども、認知症など老年期に障害のある人です。年齢や疾患に関係なく、人生のあらゆるステージで、日常の生活に支援の必要な人すべてが対象となります。
病院での急性期のリハビリテーションでは、病気やけがの直後から作業療法が開始されます。症状に合わせ、体の機能の改善を援助し、なるべく早い段階で日常的な生活行為(食事・整容・排泄・更衣・入浴などの身の回りの動作)の獲得を目指します。
残存している能力では少し難しい動作があれば、
自助具や福祉用具を用いた訓練も行います。
退院前には必要に応じて住宅訪問し、手すりなど改修案の
助言をさせていただいたり、ご自宅の環境に合わせた
動作訓練を導入するなど、生活に即した視点で援助をしています。
午前中は外来の通院リハビリも担当しています。
~「リハビリを続けること」が目標になっていませんか?~
作業療法を提供するときには必ず、ご本人・ご家族様にご希望や目標をお伺いしています。
とにかく筋力を鍛えて、歩く練習をして、体が固まらないように…とお答えになる方がほとんどです。
みどり病院では、病気やけがをした直後からリハビリテーションが開始されますので、その時期にはこういった内容を目標にすることが多いのは当然です。しかし作業療法では早期よりその先の将来の行為を見据えています。
訓練中の何気ない会話の中で、ご本人・ご家族様がその先の目標を早い段階で持てるように、援助することを心がけています。歩けるようになって、何がしたい?何処に行きたい?など、より具体的な希望を伺うことで入院中の訓練内容の幅も広がり、退院した後の地域でのリハビリでも、同じ目標を共有し、継続していくことができます。
事故で両方の手足が麻痺してしまった。
手術をし、リハビリテーション目的でみどり病院に転院。
小さい物がつかめず、ペットボトルを開ける力もなかったAさん。
長い時間立ち仕事をすることも難しかった。
まずは、身の回りの事ができるように頑張った。
訓練中の会話の中で、もともとはお菓子作りが趣味で、
作ったケーキを近所の友達におすそわけするのが好きだ
ということを教えてくださった。
目標は、またケーキ作りができるようになる事になった。
それでもセルフケア・家事…ほかにも生活するうえで
やらないといけないことは山積みだった。
退院。最初に立てた目標は、
病院から自宅でのリハビリへ繋がった。
数か月して甘い香りのケーキが届いた。
とても良い笑顔だった。
ひとは作業をすることで元気になれる
作業はあなたと社会とをつなぐ接点です
作業療法士は【こころ】と【からだ】を元気にする。そんなリハビリを行う専門家です。
あなたにとって、意味のある作業はなんですか?“自分でできる”をあきらめていませんか?
私たちはみどり病院のリハビリテーション科は、みなさんの“自分でできる”を応援します。