体脂肪とは?
体脂肪とは体内にある脂肪のことです。
皮下にたまる「皮下脂肪」と、内臓の周りにたまる「内臓脂肪」があります。
また、体脂肪率とは体重に占める体脂肪量の割合のことを言います。
一般に体脂肪率の適正範囲は、男性15~25%、女性20~30%くらいと言われ、男性は25%、女性は30%を越えると肥満と考えられます。
体脂肪は少なければ少ないほど良いと思われるかたもおられるかもしれませんが、体脂肪は生命の維持に欠かせないものの一つです。
エネルギーの源になるだけでなく、細胞やホルモンを構成し、体温を保つといった重要な役割をしています。
しかし、過剰に体脂肪が体にたまると、生活習慣病(肥満、高血圧、脂質異常症、糖尿病など)の発症や悪化に大きく影響します。
皮下脂肪と内臓脂肪
皮下脂肪は皮膚の下にある皮下組織という部分につく脂肪です。
体の表面に近いところにあるため、自分でつまむことができる脂肪です。
皮下脂肪は加齢と共に増えてきてお尻や太もも、二の腕につきやすく、たるんだり太くなります。
見た目にわかりやすく、男性よりも女性の方が多くつきます。
皮下脂肪は内臓脂肪に比べると代謝が悪く、分解されにくい性質をもっています。
内臓脂肪に比べ皮下脂肪は病気の危険度合いは低く、病気への直接の原因とはなりにくいものです。
しかし皮下脂肪によって内臓を圧迫したり、肥満体型が目立ちやすくなってしまいますので黙認はし難いです。
内臓脂肪は肝臓などの体の中の臓器のまわりに溜まる脂肪です。
体の中の臓器のまわりに溜まり、外見では分かりづらいので【隠れ肥満】の原因といわれています。
お腹だけがポッコリ出ているような状態の方は内臓脂肪型肥満(隠れ肥満)の可能性があります。
内臓脂肪量測定は内臓脂肪CT検査
内臓脂肪は体内で悪玉物資の量を増やすので、増加すると、脂肪肝や糖尿病、脳梗塞、動脈硬化、高血圧などの生活習慣病の原因になりやすい危険な肥満です。
高血圧、脂質異常、高血糖を複合的に発症している状態をメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)といいます。
見た目が太っていて体重もある肥満の人より、見た目では太っている感じがしないのに体脂肪率が高い隠れ肥満の方が、より深刻な問題をかかえているといわれています。
内臓脂肪型肥満(隠れ肥満)は外見でいうとウエストのサイズが指標になり、男性では85cm女性では90cm以上だと内臓脂肪型肥満が疑われます。
しかし内臓脂肪のつき方には個人差が大きく、ウエストサイズからだけでは、その量を正確に推定することは極めて難しいといわれています。
正確に内臓脂肪の蓄積量を判断する手段のひとつにX線CTスキャンを用いて腹部の断面像を撮影することによって内臓脂肪量を計測する内臓脂肪CT検査(ファットスキャン、Fat Scan)があります。
この内臓脂肪CT検査は、検査時間も3分程度と短く、苦痛もなく、X線被ばくも少ない安全な検査です。
内臓脂肪CT検査では腹部周囲の内臓脂肪の量に限らず、皮下脂肪の量も正確に見ることができます。
内臓脂肪CTにより測定した内臓脂肪面積が100平方cm以上の場合、内臓脂肪型肥満と診断されます。
青く表示されているところが皮下脂肪。赤く表示されているところが内臓脂肪となります。
①標準体型(男性)
②標準体型(女性)
③内臓脂肪型肥満(男性)
④内臓脂肪型肥満(女性)
内臓脂肪肥満基準
内臓脂肪CTにより測定した内臓脂肪面積が100平方cm以上の場合、内臓脂肪型肥満と診断されます。
肥満は高血圧・脂質異常症・糖尿病などを引き起こす原因になります。
また、肥満の中でも内臓脂肪型肥満はとても危険です。
早期の予防・対策を行うために、内臓脂肪の測定は極めて重要です。
皆様の健康管理・生活習慣病予防に一度内臓脂肪CT検査で体脂肪を測定してみませんか?
内臓脂肪CT検査は予約なしでいつでも検査可能です。
気になる方はみどり病院外来にてご相談ください。