最近、お腹の脂肪が気になっている方はいませんか?
年齢を重ねるうちにお腹がポッコリ、という方もおられるかもしれません。
大丈夫ですか?
もしかしてメタボかも?と思うことはありませんか?
今ではほとんどの方が一度は耳にしたことがあると思いますが、それではメタボとはどのようなものを指すのでしょうか。
メタボとは、メタボリックシンドロームの略で、代謝症候群のことを言います。
内臓脂肪型肥満(内臓肥満・腹部肥満)に高血糖・高血圧・脂質異常症のうち2つ以上を合併した状態を言います。
お腹が出ている人が特に気なるのが、内臓脂肪と皮下脂肪ではないでしょうか?
では、どのようにすれば脂肪を減らすことができるのでしょうか。
脂肪を減らすのに大切なことは、食事と運動です。
食事で摂取したカロリーを日常生活や運動などで消費できなければ、身体に脂肪として蓄積されます。
では、どのような運動をすれば良いでしょうか。
運動には無酸素運動と有酸素運動があります。
簡単に言うと、無酸素運動は筋トレや短距離走などのような運動のことを言い、有酸素運動はウォーキングや自転車などのような運動のことを言います。
そして、無酸素運動では主に糖分をエネルギーとして使用し、有酸素運動では主に脂肪をエネルギーとして使用します。
では、脂肪を燃焼させるには、有酸素運動だけを行なえば良いと思われるかもしれませんが、運動開始時には先に糖分をエネルギーとして使用し、次いで脂肪を使用すると言われています。
できるだけ早く脂肪をエネルギーとして使用するためにも、筋肉量が多い方が良いと考えます。
よって無酸素運動である筋トレも必要になってきます。
また、筋肉量を増やすことで、基礎代謝量も上げることができます。
基礎代謝量とは、運動をせず、安静状態でも、呼吸や心臓の動き、体温維持などの生命活動を維持するために消費される必要最小限のエネルギー量のことです。
有酸素運動を行なう際には、運動開始後20分あたりから脂肪を主なエネルギーとして使用すると言われているため、運動時間にも注意する必要があります。
また、一般的に有酸素運動と言われる、水泳やジョギングも激しく行えば、無酸素運動になってしまうので注意しましょう。
また、運動開始前にはウォーミングアップ、終了後にはクールダウンをそれぞれしっかりと行ないましょう。
また、高血圧の方は運動の前、運動中、運動の後の血圧に注意しましょう。
糖尿病の方は、食前ではなく、食後1時間半後くらいから運動を行なうようにしましょう。
当院では、糖尿病の教育入院の患者様に対しても、運動指導を行なっています。
糖尿病の患者様の多くは、不摂生な食事や運動不足などで“メタボな身体”になっています。
以前担当させていただいた患者様に、身長150cm、体重約90kgの典型的な“メタボ体型”の方がいらっしゃいました。
最初は少し運動するだけで息切れをしたり、膝が痛くなったりしていました。
膝の運動や自転車エルゴメーターでの運動から始め、膝の痛みが収まると、退院後も“自分でできる”運動を!と思い、屋外のウォーキングも取り入れ、運動指導を行ないました。
退院すると、以前、通院ではバイクを使用していたその患者様は自宅から病院まで約25分かけて歩いて来られるようになりました。
運動で大事なのは“継続”です。
運動を始めよう!と新しいジャージや靴を買っただけ、の3日坊主になっていませんか。
最初から頑張りすぎるのではなく、軽めの運動から始め、徐々に負荷を上げていくようにしてください。
自分に合った無理のない、継続できる運動で「脱・メタボ!」を目指しましょう。
われわれリハビリテーション科は、メタボが気になるあなたの”自分でできる”を応援します。