管理栄養士の卵を迎えて

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管理栄養士を目指している学生が当院に実習に来ました。
管理栄養士になるための学校では学外実習があり、保健所、事業所(企業の食堂など)、病院などに実習にいくことになっています。
当院では毎年、数名の実習生を受け入れています。
私が学生ときのことを思い出すと栄養指導の資料を作ったり、厨房に入り食事の準備をしたり2週間あっという間でしたが、受け入れてくれた病院の方々は皆さんよくしてくれました。
あのときの体験は今でも参考にしています。
今、受け入れる側になってみて、学生時代の自分を考えると、来てくれている学生はみんなしっかりしているなぁと感心します。
私の思い出話はさておき、せっかくきてもらった管理栄養士の卵さんたちにインタビューしてみました。

まずはなぜ、管理栄養士を目指そうと思ったのですか?

昔から食べることが好きで、食に関わる仕事がしたいなと思っていました。
栄養士という職業を知り、“食”という生活の中でとても大切なものの専門家になりたいと思いました。
自分の食事や他の人の食事を考え、管理することで人々の健康を支えることができ、その食事によって多くの人に喜びを感じてもらいたいと思い、栄養士を目指そうと思いました。
  

そして褥瘡(床ずれ)回診に参加してみて?

当院では外科の先生を中心に看護師、薬剤師、管理栄養士などが週に1回、褥瘡の回診をしています。
回診では先生が治療をして、看護師がケアをし、薬剤師は薬の相談をし、管理栄養士が食事の相談をします。
多職種からの情報を得ることで、食事の種類を決めるときに役に立ちます。
そんな回診に参加してもらいました。

では感想です。
初めて褥瘡の患者様をみる事が出来て、私が思ってたよりもすごく痛々しいものなんだと実感しました。
黒色の壊死している部分を切り取る所なども見せてもらえ、褥瘡を早く治すために必要なんだと勉強になりました。
1週間後にその患者様をみることが出来た時に1週間前よりも治りかけの所が広くなっていて、切り取った部分が小さくなっている所を見れました。
実際に見れたことで、薬と食事の力はとても大切だなと改めて感じ、早期に治療することや褥瘡を作らないことも大切だと学びました。

管理栄養士からのコメント
実習初日に褥瘡の回診があり、壊死部分の切除をまじまじとみて、衝撃的だったと思います。
黒くなっている部分を切っているところが良く見えるところに先生が呼んでくれて詳しく説明してくれました。
1週間後も学生のために経過を詳しく説明してくれました。
ありがとうございました。

次に薬剤師の話を聞いてみて

栄養管理には口から食べる以外に点滴で補充することができます。
薬の分野のため少し、踏み込みにくい部分がありますが栄養管理を把握するには知っていた方がいいと思い薬剤師に点滴分野を中心に話をしてもらいました。
  
では感想です。
薬剤師の方と栄養の観点からのお話をすることができて、とてもいい経験となりました。
点滴には、エネルギーを上げたくても上げられない理由があることが分かりました。
褥瘡の方の栄養管理では、エネルギーやたんぱく質の摂取を増やすだけでなく、アルギニンなどのその他の栄養素も大切だということが分かりました。
経口摂取が困難な方など、栄養摂取は食べ物だけではないのだと改めて感じることができました。

管理栄養士からのコメント
いつも詳しい説明をしてくれ、物を調べるということを教えてもらえます。
学生に人気の薬剤師です。
今回も褥瘡の栄養管理について詳しく調べることが出来ました。

さらに患者様が食べているところをみて

脳梗塞後後遺症のため、左半身麻痺の患者様で経口摂取を少しずつ普通の食事に調整していっている途中の患者様の食事状態の経過を追いました。
リハビリにより日々、出来ることが増えていました。
そこで、作業療法士の説明を聞いたり、理学療法士が訓練をしているところを見学させてもらいました。

では感想です。
左半身に麻痺をもっている患者様の食事経過をみさせていただきました。
日に日に、食べこぼすこともなくなり、会話をしながら食事をすることができるようになって、作業療法士、理学療法士などの方の力を感じました。

管理栄養士からのコメント
日々、食事の摂取状態が良くなるところをみて、私もリハビリをすることは大切だと思いました。

他にもいろいろとインタビューしたのですが、今回はこれでインタビューを終わります。

今はまだ、就職活動中ということでした。
将来、管理栄養士の資格を生かせるようになれたらいいですね。
この実習を通して何年か後を振り返ったときに今、気がつけなかったことに気がついてくれたり、ふっと思い出してくれたらいいなと思います。

実習受け入れは大変ですが、当たり前になってしまい、見えなくなってしまった感覚を思い出し初心に戻ったり、何を伝えたかを考えて動くいい機会になっています。
せっかく、病院実習にきたので管理栄養士の話だけでなく多職種からの協力も得て、他職種との関わりを持つことで自分の職種だけでなく、病院全体の動きを知ってもらえたらと思いながらスケジュールを組んでいます。

余談ですが、どの部署も時間に追われ、いつも忙しくしています。
しかし、他部署に実習生受け入れをお願いしたとき「いいよ~いつ?」や「実習生さん~もっと前でみたらいいよ」と自然と声かけをしてくれたり、「しんどそうだったけど大丈夫だった」と気にかけてくれたり実習生のために時間を割いて、とても丁寧に説明をしてくれる姿をみて、この時期になるといつも“みどり病院っていい人が多いな~。”としみじみ思います。