宅配弁当についてよく患者さんに聞かれることがあります。
最近CMにもなっているのでその存在を知っている人は多いようです。
会議や勉強会、イベントなどのときに大量のお弁当を注文するのも宅配弁当。
記念日などに出前感覚でちょっといいお弁当を注文するのも宅配弁当です。
宅配弁当と一口に言ってもたくさんの用途があるわけですが、当院で一番問い合わせが多いのは、高齢者の方がよく利用される、自宅に定期的に配達してくれる宅配弁当についての内容です。
「毎日の食事を作るのが大変になってきた」「お買い物に行くのが難しい」「食事管理が必要な病気だけど、自分では管理できないので宅配弁当を頼みたい」「一人暮らしなので、毎日のお弁当配達で安否確認もしてほしい」などの理由で皆さんお弁当を注文されます。
たくさんの会社がお弁当の宅配サービスをしているので「お弁当たのもう!」と思ったときには種類が多くて何がなんだか・・・と困ってしまうかも知れません。
またメニューの内容、宅配頻度、値段、冷凍か冷蔵か、病態食(糖尿病食、透析食など)があるかなど、いろいろな面から評価しなくてはいけません。
当院では、数社の宅配弁当会社を患者さんにご紹介しています。
もちろんインターネットで調べていただければより多くの情報を得ることができます。
宅配弁当を利用することになった患者さんの例
一人暮らしの患者さんで退院後は宅配弁当を頼もうかと考えている患者さんがおられました。
血液透析をうけているので特別な食事管理が必要でしたが、食事管理ができるか心配された娘さんが宅配弁当を勧めてくれたようでした。
一人暮らしでしたが、娘さんが様子を見に行った時は「食事は自分で作るつもりです。」と話されていました。
しかし1日1食~2食は宅配のお弁当を利用することになりそうでしたので、患者さんの必要な栄養と病態に合ったメニューを出してくれるお弁当会社を数社ご紹介すると「ご近所さんで冷凍の宅配弁当を食べている人がいるんだけど、そのお弁当が美味しくないの。冷凍じゃないのがいいわ。」と仰られたので、新たに冷蔵のお弁当を2社ご紹介しました。
冷凍は保存期間が長いというメリットがありますが、患者さんの嗜好も考慮し、娘さんと相談してもらうことにしました。
外来にて血液透析を続けておられる患者さんであったため、カロリーは1日1800kcal、たんぱく質60gで塩分も控えめ、リンやカリウムなどの透析患者さんに必要な栄養も調整してもらえるお弁当を検討してもらいました。
ちなみにお弁当は1食400~700円前後ですが、おかずのみ頼むか御飯も頼むか、病態別(糖尿病食、透析食など)かなどによって値段が変わってきます。
便利な宅配サービス
宅配弁当だけでなく宅配のサービスは近年多種多様なものがあります。
買い物に行かなくても何でも自宅まで配達してもらえる時代です。
ですが、自分の足で歩いてお買い物に行き、買ってきた食材を自分で調理するということは、生活の幅を広めたり適度な運動ができるという面ではとても良いことです。
問題がない場合は自分でお買い物に行くのも良いですが、体調が悪い日があったり、足が悪かったりで外出や調理が難しい場合は、便利な宅配を利用するのもよいでしょう。
患者さんや地域の皆さんがより快適かつ健康に生活できるように上手に宅配弁当を活用して下さい。