あなたは周りの家族や友人から、“最近、姿勢悪くなったんじゃない?”、“背中が丸くなったね。”と言われたことはありませんか?
また、小さい頃、(いや、大きくなってからでも、)“椅子に座るときは、背筋を伸ばして、しゃんと座りなさい。”と指摘されたことはありませんか?
他人から言われてハッとすることもあれば、自分でも気づいてはいるけど、ついつい楽な姿勢、ダラ~っとした姿勢になってしまうこともあるでしょう。
そこで今回は、“良い”姿勢とはどのようなものか、そして、“悪い”姿勢が単に見た目だけではない、どのような悪影響があるのかについてお話したいと思います。
ヒトは他の動物と異なり、頭や上半身の重みを下半身で支えながら、直立二足歩行をするため、背骨が前後に緩やかにS字状にカーブした構造をしています。
このカーブが背骨にかかる重みや歩行時の衝撃を和らげることで、安定した立位姿勢がとれるようになっています。
また、背骨の一番下には骨盤があり、腹筋や背筋、大腿部や臀部の筋など周囲の筋の働きによって位置が固定されています。
病気や加齢に伴う骨の変形や椎間板の変性、筋力低下だけではなく、日常生活の中で長時間にわたって同じ姿勢をとり続けることなどにより、筋の弛緩や過緊張など姿勢を保持する筋のアンバランスが起こり、背骨のS字カーブの崩れや骨盤のゆがみが起き、姿勢が悪くなってしまいます。
デスクワークで机に座る時間が長い方や、畑仕事などで前かがみの姿勢をとることが多い方、仕事ではなくても携帯やパソコン画面を見る時間が長い方は注意が必要です。
見比べてみよう、悪い姿勢と良い姿勢
上の写真は、悪い姿勢として耳にすることが多い、猫背ですが、腹筋が緩み、背中は丸まり、骨盤は後ろに倒れ、頭とお腹を突き出した姿勢になっています。
背骨のS字カーブは崩れ、なんといっても見た目が悪いですね。
では、良い姿勢を見てみましょう。
<側面>
①乳様突起(耳たぶのやや後方)
②肩峰(肩関節の前方、外側へ張り出した骨)
③大転子(大腿部の外側、外側へ張り出した骨)
④膝関節中心よりやや前面
⑤外くるぶしのやや前面
⇒①~⑤が一直線上に並ぶ。
<背面>
①後頭隆起(後頭部の中心)
②椎骨棘突起(背骨の中心)
③臀裂(お尻の割れ目)
④左右の膝関節の内側の中間点
⑤左右の内くるぶしの内側の中間点
⇒①~⑤が一直線上に並ぶ。
また、日常生活の中で最も長い時間を過ごすであろう、座る姿勢。
下の写真のように、背中が丸まった、ダラ~っとした姿勢で座っていませんか?
椅子に座る時は、深く腰掛け、頭、肩、お尻が一直線上に並び、膝は90°曲げ、体重は両方の坐骨(お尻の下の骨)に均等に乗るように意識しましょう。
また、このような悪い姿勢をとり続けることで身体へどのような影響があるのか、以下のようなものが挙げられます。
・首、肩の凝り
・頭痛
・腰痛、足のしびれ
・下半身のむくみ、冷え
・消化器系の働き低下
・呼吸器系の働き低下
・肥満
・睡眠障害
・精神的ストレス
今回は、姿勢について簡単に説明させていただきました。
当院にも、肩こりや腰痛でリハビリへ通院される方が多くおられ、ストレッチや筋力トレーニングに加え、立位や座位などの姿勢のチェックを必ず行います。
鏡を用いて、患者様自身にも、姿勢チェックをしてもらい、普段の生活から、良い姿勢を意識してもらうようにしています。
上で述べた、悪い姿勢をとり続けていることで起こる、身体へのさまざまな悪影響、良い姿勢を意識するだけで改善が見られるかもしれません。
長年悩まされている肩こりや腰痛、だんだん出てきたポッコリお腹、姿勢を見直すことで改善が見られるかもしれません。
まずは、鏡の前へ、ご自身の姿勢、自分でチェックしてみましょう。
~みどり病院イベントのお知らせ~
第7回リハビリ教室を開催いたします。
テーマ:「姿勢」について
日時:平成29年6月3日(土)13:30~15:30
※詳しい内容が決定いたしましたら院内掲示板、ホームページ、facebookにてお知らせいたします。
皆さまのご参加お待ちしております。