透析導入になった患者様の多くは、導入前に透析治療を少しでも遅らせるために努力して、低たんぱく食、高カロリー食、塩分制限等の食事療法を行われたと思われます。
しかし、透析導入になった時「今後は導入前の時期よりも気楽に食べられるようになりますよ」と指導されて「なぜ?」と戸惑う方も多いのではないでしょうか。
緩和された食事の中でも導入後の食生活において気をつけていただきたいことがあります。
最近の透析治療の効率は高くなっているので昔よりは食事に対して厳しい制限はありませんが、日常の食生活において気をつけていただきたいことを少しお話させていただきます。
主食はしっかりと食べてください。
しかし、ごはんの代わりに麺類を食べると麺類には塩分や水分が多く含まれており体重が増加してしまう傾向にあるので注意しましょう。
油脂類を上手く使うことで、少量で効率的にエネルギーがとれるので揚げ物、炒め物、サラダなどが良いかもしれませんね。
小魚・乳製品はカルシウムやリンなどが多く含まれており、摂り過ぎも良くないので注意しましょう。
また、カリウムのとり過ぎも心臓に負担をかけてしまいます。
野菜やイモ類にはカリウムが含まれているので茹でこぼししてから調理することで抑えることができます。
これは導入前と同様です。
果物は生で食べても良いのですが、特にバナナ、メロン、キウイはカリウムが多いので少量にしましょう。
そして、透析治療で一番大事なのは塩分の摂りすぎに注意する事と水分制限です。
塩分が多いものや辛いものを摂りすぎると喉が渇いて水が欲しくなってしまうので注意しましょう。
それに付け加えて、食べ物の中にも水分が含まれ特に麺類・お粥・鍋物・煮込みなどの料理には水分が多く含まれています。
時には喉が渇いて飲水を控えようとうがいをされることがあるかもしれませんが、うがいも知らずのうちに飲み込んで摂取につながるので回数に注意しましょう。
もしくはマウスウォッシュを使用することで水分の飲み込みを防ぐ効果もあります。
また、飲水する代わりに氷を食べるという人もありますが、氷も1個約20㎖の水分となる事を意識して下さい。
透析ライフにおいて、食べる楽しみを持つことも大切です。
うす味の食事となるので食欲も損なわれがちとなりますが合併症の予防のためにも指示されたカロリーを摂取できるように三食きちんと食事をとることが大事です。
また、食事・水分の管理はとても大切ですが食事制限を厳しくすれば良い結果が出るという訳ではありません。
血液検査の数値でアルブミン値が低い場合には、食事制限に問題がないか振り返ってみましょう。
食事制限が守れていても、それが全体的な健康を害していたら意味がありませんよね!
透析ライフにおいて、しっかり食べて適度な運動をすることが長生きにつながるという最近のメジャーな考え方と言われているそうです。
何はともあれ、一番大事なのはうす味で【腹八分目】と言うことです!
詳しくは、当院の栄養士にもご相談いただく事も出来ます。
明石近辺ではちりめんじゃこやいかなごが特産物です!
リンが多く含まれていますので食べ過ぎないように注意しましょうね!