腹痛は、消化器・泌尿器・婦人科・血管・循環器領域など、腹腔内にあるあらゆる器官の変化で起こります。
急激な腹痛によって、緊急手術が必要か否かの判断が要求される症状です。
痛みの場所、痛みの種類、嘔吐、下痢により、色々な病気が疑われます。
痛みの場所
①心窩部(みぞおちあたり)
②右上腹部(右季肋部)
③左上腹部(左季肋部)
④臍部(おへそ部)
⑤右側腹部
⑥左側腹部
⑦右下腹部
⑧左下腹部
⑨下腹部
よく見かける急性腹症 → 代表的な痛みの場所
①急性虫垂炎 → ④⑤⑦
②急性胆嚢炎・胆管炎 → ①②
③腸閉塞症(イレウス) → お腹全体①②③④⑤⑥⑦⑧⑨
④十二指腸潰瘍 → ①②
⑤急性胃炎 → ①②③
⑥ヘルニア嵌頓 → お腹全体①②③④⑤⑥⑦⑧⑨
⑦大腸憩室炎 → お腹全体①②③④⑤⑥⑦⑧⑨
⑧細菌性腸炎 → お腹全体①②③④⑤⑥⑦⑧⑨
⑨虚血性腸炎 → お腹全体①②③④⑤⑥⑦⑧⑨
⑩急性膵炎 → ①②③④背部
⑪腹部大動脈破裂 → お腹全体①②③④⑤⑥⑦⑧⑨
⑫婦人科領域 → ⑦⑧⑨
など
私達は、超音波検査にて、上記疾患や、腹水・胸水の有無などの検査を行っています。
超音波検査は、被爆もなく、苦痛も伴わない非侵襲性な検査です。
お腹の痛みには、色々な疾患が隠れています。
早期診断が必要です。
では次に、私達が行っている腹部エコー検査の説明をさせて頂きます。
医師の指示で患者さんが、腹部超音波検査室に来られます。
私達は、検査目的を把握して、検査を始めます。
名前を確認後、胸の下から腰あたりまでを出して頂き仰向けに寝て頂きます。
服が汚れないように、タオルをはさみながら、患者さんにエコー検査の説明をします。
痛みの部位を確認し、痛みの強さも聞かせてもらったりもします。
みどり病院では、肝臓・胆嚢・膵臓・腎臓・脾臓・膀胱・前立腺又は婦人科領域(卵巣・子宮)・腹部大動脈・下大静脈・消化管の全てを観察させて頂いています。
胆嚢・・・
胆石はないか?
腫れてないか?
胆嚢の壁の肥厚はないか?
胆管は拡張や結石はないか?
など疑わしい疾患を探しながら観ていきます。
膵臓・・・
急性膵炎では、腫大したり、膵臓の周りに液体が貯まってきたり、膵臓の輪郭が不明瞭になったりします。
横を向いて頂いたり、座って頂いたりして様々な角度からアプローチをして検査をしています。
また飲酒習慣の有無をうかがったり、正常な膵臓と比較するのも大切な事です。
それぞれの臓器を、隈無く観察し、異常像を見つけにいきます。
肝臓が悪くなると、脾臓が腫れたり、腹水が貯まったりもします。
検査時間は?・・・20分ほど!
ただし皮下脂肪が厚かったり、消化管ガス等の影響で見えにくい方はより正確な画像描出のために多少余分にお時間を頂く事もあります・・・
息を吸って頂いたり、身体の向きを変えて頂いたりしながら、私達は、プローブと呼ばれる探触子を自由自在に操って、様々な疾患を探しています。
声かけをしながら、すこしでも楽に、出来るだけ速く、多くの情報を探し出せるように、汗だくになりながら超音波検査を行っています。