心エコー検査、院長レビュー

20160914_examination_01
毎週火曜日の夕方になると、コツコツと高らかな足音とともに院長が検査室に来られ、検査技師と共に一週間分の心エコー検査の所見を見直しています。
カルテをめくって身体所見や血液検査結果、他のモダリティでの検査結果を参照し、それらを加味してエコー検査結果の診断をして依頼元へ心エコー結果を返します。(検査所見は当日すぐにカルテに記載)
心電図検査、心音図検査も重要なモダリティです。
特に弁膜症の評価をする上で心音•脈波は欠かす事が出来ません。
検査の前に心電図を読み心音を聴いて脈波を触れて検査に入ります。
心音図結果を見ると耳では聴ききれない雑音が視覚的にも評価でき所見の手助けや評価の裏付けとなります。

心エコー検査で見ているは同じでも、病態によって重要視する場所は其々です。
依頼内容に合わせ、何を最重要視するかを考えて検査を進めます。
時には思った方向と違うところに病気の原因がある事や、重症度判定においてもseverelyが違っていたり・・・・
毎回の検査で得られる情報は多く様々です。
だからこそ、見逃しや、過大評価または過小評価にならないように最善の注意を払って検査をしています。
心臓は体位によって心尖部の場所が変わるため左側臥位になってもらったり少し上向きになってもらったり、超音波の最大の敵である空気(肺による影響)を避けるために息を吸ったり吐いたりしてもらって心臓が一番正確に評価できる位置で検査を出来るように患者さまに協力をお願いしています。(可能な範囲で)

こうして得られた画像を院長に循環器専門医としての厳しい目で評価してもらいます。
同じ画像を見ても観るポイントが違っていて指摘を受けて改めて気付く事があったり、他の検査で裏付けがなくて見直しをする事もあります。
病態と検査結果の関わりについて深く掘り下げ関連した多くの内容を教わる事もあり、まるで講義を聴いているような日もあります。(貴重な時間です)
また臨床側が何を求めているのかも教わり、何を返答するべきかの方向付けを指導致いています。

毎週毎週、厳しい眼で評価してもらい、繰り返して自分の検査を見直したり他技師の検査を見ることで観るべきポイント、評価の仕方が向上して行くと思います。

しっかりと病態を提示し、早期に変化を見つけ一人一人の治療にもっともっと役立てる事を願い今日も検査に尽力しています。