心臓が大きい(心拡大)と言われた時の心エコー検査


心臓が大きいと言われた事のある方、心臓が大きいって、どんなこと?
大は小を兼ねる、何でも小さいより大きい方が良いのでは???
心臓は大きいより小さい方が、よい場合が多いのです。

一般的に心拡大とは胸部レントゲン写真で胸郭に対する心臓の比率が50%以上を示します。
ですが、レントゲンに写る心陰影は心臓の周りの袋を含む全てのことであり、その詳細を知るためには、心超音波検査が非常に有用です。
心臓の周りにある水=Pericardial effusion(心嚢液)や、pericardial fat(脂肪)が原因の事もあり得ます。

「CRT拡大(心陰影拡大)の精査」と検査オーダーされた場合に・・・・
・心臓の周りに液体貯留はないか?
・心臓のどの部分が拡大しているのか?
・どの程度の拡大なのか?
・拡大の原因は何か?その程度は?等々
色々な要素を検索していきます。

心超音波検査でわかること

①心房拡大
高齢者の心房細動または、その予備軍です。
心房細動または、その予備軍の方々は、心房拡大を来しやすく、心臓の4つの部屋の内の左心房が大きくなったり、左心房・右心房の2つが大きくなると、胸部レントゲンでは心陰影が大きく写ってきます。

②左心室の拡大
次に心臓の収縮力が悪い人は、弱い力で体が必要とする血液をを送り出そうと、左心室を大きくして一回あたりの血液量を確保するようになります。
大動脈弁逆流がある方は、全身へと送り出したはずの血液が、また左心室へと戻ってきてしまい、戻った逆流の量だけ左心室は余分に血液を蓄えることとなるため逆流の重症度に伴い左心室も経時的に拡大していきます。

③心室・心房拡大
僧帽弁逆流がある人は、本来は全身へ送るはずの血液が左心房へと戻ってしまい(収縮期)、また戻った逆流血が左心室へと一気に流れ込み(拡張期)、左心房も左心室も逆流量に伴い拡大していきます。

④左室肥大
高血圧の方は、高血圧の期間が長くなるにつれ高い圧に耐えうるために左心室は徐々に壁の厚さを増していきます。
大動脈弁狭窄の方も、全身へ血液を送り出すドアである大動脈弁がしっかり開かないため、押し出す力を増す代償として左心室の壁が厚くなります。

⑤液体貯留
何らかの原因で心嚢と言われる心臓の周りの腔に液体が貯まっているとき。
心臓の周りに脂肪が張り付いているとき。

等々、心臓が大きいと一言で言っても、様々なCTR拡大の要因がわかります!!!
あなたの心臓は大きいですか?小さいですか?